23話目 古代の生命3
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にいますよ」
あっちだ……とグレイが、指差す前に、オコト本人が姿を現しながらそう言った。
「あら、生きててよかったわ。その子が1人で歩いてきたから殺されたのかと思ったわ。もしくは、私を見捨てて1人で逃げ出したか」
「ナオミを置いて1人で逃げたりはしませんよ。セキイシ様の退避状況を確認していたんですよ」
ここにきてグレイは、オコトを人質にとっておけばよかったと後悔するが、それはもう遅いことであった。
「セキイシ様の姿はなく、研究データや器具も全て破棄破壊されていました。おそらくセキイシ様は無事に退避したかと」
「そう、なら後は私たちが逃げるだけね」
2人で話しているオコトとナオミに向かって、グレイが口を開く。
「お前たちの要求は何だ? ……どうすればイザルを解放してくれるんだ?」
グレイの質問に対し、ナオミが答える。
「あなたに対する要求は何も無いわよ。この子は、治安組織に追われた時に保険として人質にしているだけよ」
「そうすると、イザルはお前たちのアジトまで連れていかれることになるのか?」
「そうね、よく考えるとそういう事になるわね。でも、そしたら私たちのアジトがバレちゃうわね……結局はこの子を殺すことになるのかしら?」
殺す。その言葉に焦るグレイ。イザルも顔色を少し蒼くしている。
しかし、そこで口を開いたのはライフ団のオコトであった。
「殺してはダメですよ、馬鹿ですねナオミは! グレイ君、イザル君、安心して下さい。ここで抵抗しなければ、イザル君の命は絶対に助けますから」
なぜオコトが味方をしてくれるのか分からず、驚くグレイとイザル。
それはナオミも同じであったらしくオコトに抗議の言葉を送る。
「ちょっと! なんでオコトがそっちの肩をもつのよ!? 戦って友情でも芽生えちゃったのかしら?」
「そんな訳ないですよ……ナオミ、よく考えて下さいよ。結局最後に殺されることが分かっているなら、人質がここで抵抗してもしなくても利得が変わらないことになります。それでは人質が成り立たないんですよ。ここでは、人質が抵抗しないという選択をした方が人質の利得が高くなる状況設定をしなければ」
「オコトの言うことはいつも難しくて分からないわよ! じゃあどうすれば良いのよ!?」
「簡単ですよ。メモリーの連中に頼んで記憶を操作してもらえば良いのです。これなら殺さなくて済みますし、この事件に関することを忘れても今後の生活に支障はないでしょう?」
「私……メモリーの連中、苦手なのよね……フェニックスみたいな野蛮さは無いけど、倫理観が無いっていうか……」
「倫理観が足りないのは、ぼくたちリザレクションも同じですよ」
言い終わったオコトは、グレイの方を向き、グレイに言葉を発する。
「ぼくたちはこれから引き上げますが、君が追ってこな
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