暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・トラベル・ポケモン世界
22話目 古代の生命2
[1/7]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

「こっちの方でよかったかな〜?」
「……はい、この方向です」
 治安組織の男コオルがイザルに問いかけ、イザルがそれに答えた。
 日時は、グレイとイザルがプテラに襲われた日の翌朝。場所は、ヒヨワタウンに隣接する緑豊かな山。
 その山の中に、登山道を外れて歩く者が3人いた。イザル、グレイ、そして治安組織のトレーナーのコオル。
 また、グレイの横には蝶のようなポケモンのビビヨンが飛んでいる。
 コオルが先頭を歩き、イザルとグレイが後に続くかたちで3人は山を進んでいた。
「いや〜、しかし君たちも大変だねえ。プテラを目撃しちゃったばかりに、案内までさせられちゃってね」
「……気にしてません」
「いや〜、それにしてもさ、断ってもよかったんだよ? ぶっちゃけヒヨワタウンの安全なんて、君たちにとってはどうでもいい関係のない話…………あ、ごめん。また頼むね」
 喋っていたコオルは、行く先に野生のポケモンが立ちはだかっているのを見て、グレイとイザルの後ろに下がった。
 グレイはビビヨンに威嚇射撃を指示した。
 ビビヨンは特殊攻撃技“むしのさざめき”を、野生のポケモンの手前にある岩に向かって放った。
 巨大な音波で発生した衝撃波によって、野生ポケモンの目の前にある岩が砕けた。しかし、岩が砕ける様を見ていた野生のポケモンはそれでも退く様子を見せない。
 やむを得ず、グレイはビビヨンに指示して野生のポケモンを攻撃して戦闘不能にした。
 倒れた野生のポケモンを脇に捨て置き、3人は再び山を進む。
 再びコオルが喋り始める。
「いや〜、さすが! ジムバッジ3個は格が違うね!」
「ジムバッジ3個はオレじゃなくてこいつ」
 グレイがイザルを指差しながら、うんざりした顔でそう言った。
「あれ〜? そうだっけ? いやあ、僕さ、人の顔覚えるのも苦手で、名前を覚えるのも苦手で、しかもポケモンで上手く戦えないし……あれれ〜? 僕、良い所無いねえ〜」
 コオルの言葉に対し、グレイとイザルは何も答えない。2人とも内心では全く言葉の通りだと思っていた。



 昨日の夕方、グレイとイザルはプテラに襲われた時の状況を警察に詳しく説明した。
 ヒヨワタウン内でプテラが飛び立つその瞬間を見た者はイザルだけであり、イザルの目撃証言は警察にとって価値あるものであった。
 警察は、プテラはどこかの研究施設から逃げ出した個体であると推測し、他にも逃げ出した複数の古代ポケモンが山に潜んでいる可能性を指摘した。
 そして警察は、ヒヨワタウン周辺の安全確保のために、プテラが飛び立った場所の周辺に他の古代ポケモンがいないか調査する方針を立てた。
 プテラの目撃者として、イザルとグレイはプテラが飛び立った場所へ治安組織のトレーナーを案内することになったのである。



[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ