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トラベル・トラベル・ポケモン世界
22話目 古代の生命2
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の方がオコト、女の方がナオミである。
「治安組織のおっさん、多分仲間を連れてくると思うわ……間に合うかしらね?」
 ナオミがそう口にした。オコトがそれに答える。
「どうですかねえ? セキイシ様の進捗(しんちょく)の状況によるとしか」
 2人が会話していると、地下から階段を上ってくる者があった。漆黒色の制服の上に白衣を着た初老の男性である。
 ナオミが白衣の男性に声をかける。
「どうかしましたか? ドクター・セキイシ」
 ドクター・セキイシと呼ばれた白衣の男性が答える。
「いや、待ち時間なのだよ。データが出るのは8分23秒後だからね。少し外の空気を吸おうと出てきたのだよ」
 今度はオコトが口を開く。
「セキイシ様、最終的な結果が出るのは後どのくらいですか?」
「いや、その8分12秒後に出るデータさえまとまれば、この施設は用済みさね……この、どのくらいの質量の化石があれば古代ポケモンを復活させることができるかを調べるための施設はね」
「分かりましたセキイシ様。では、データがまとまり次第、我々もこの施設を立ち去るとしましょう」
「うむ……結局、現在のライフ団の科学力では、化石全体の質量の半分だけで古代ポケモンを復活させることは不可能、という算出に終わりそうだよ。すなわち、損傷率0%の化石を半分に割ってから復活させても2体の古代ポケモンのクローンは残念ながら得られない、ということですな」
 一呼吸おいて、再びドクター・セキイシが口を開く。
「それにしても、本当に君たちには迷惑かけているよ。本来なら他の団員みたいに昨日の時点で退避すればいいものを、私がわがまま言うせいで護衛の君たちまで付き合わせてしまってね……さっきもモニターで見ていたよ。なんか治安組織が来てたみたいだね」
 ドクター・セキイシの言葉に、今度はナオミが答える。
「治安組織の者はおそらく、我々と戦うには戦力が足りないと判断して仲間を呼びにいったと思われます。しかしデータもすぐにまとまるのであれば、治安組織が仲間を連れてここに来るまでには我々も脱出できるでしょう」
「いやいや、本当に悪いね。もしあれだったら逃げても良かったんだよ? さすがにB級戦闘員の2人じゃあ、治安組織のトレーナー複数を同時に相手するのは難しいでしょうに」
「逃げるなんてとんでもない! このリザレクション、特にあなたには恩があります。あなたの護衛を放棄して逃げるなんてあり得ません!」
「おお、そうか。ここまで忠誠心をもたれると、さすがに嬉しいねえ……おや、治安組織のトレーナーと共にいた2人の子供が施設内に戻ってきたようですな」
「え!?」
 ナオミは慌てて、ドクター・セキイシが持つモニターを見る。
「本当ね、まさか私たちを倒して地下に進む気?」
 ナオミの呟きに対し、オコトが口を開く。

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