22話目 古代の生命2
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あグレイサン。俺とアンタの2人なら、あのライフ団の2人にも勝てると思わないか?」
「ああ? お前、あいつらと戦うっての? やめとけ。ポケモンバトルと裏世界の戦いを一緒にしない方がいい」
「……その口ぶり、裏世界の戦いを知っているような口ぶりだな? アンタ、そういう戦いを経験したことがあるんだろ?」
「だったら何だよ?」
「……グレイサン、俺はポケモンバトルだけじゃなくて、ポケモンの武力行使で戦う術にも知識があるんだ。俺は将来、治安組織のトレーナーになることを目指していてな。そういう事に関しては素人じゃないのさ」
「いや、目指してるって言っても。誰に教わったんだよ、そんな事」
「……俺はな、ジムリーダーの息子なんだよグレイサン。だからポケモンに関する知識に関しては事欠かないんだ」
「ジムリーダーの息子!? ……マジか」
「……ああ」
グレイはイザルがジムリーダーの息子と聞いて、イザルが義務教育未終了にも関わらず旅に出られる理由を察した。親の権力とコネによって、立派なポケモントレーナーになることに通じる事は何でも許されるのであろう。
「……グレイサン、俺はな、こう見えても悪事を働く奴が許せないんだ。……そして、悪事を止める力がありながら悪事を見て見ぬフリをする人間も許せないし、そういう人間にはなりたくないんだ!」
突如、イザルがグレイに向かって頭を下げた。何事かと思ってグレイはぎょっとした。
「……頼む、グレイサン。俺と一緒にライフ団と戦ってくれ! コオルのおっさんが仲間を連れてくるって言ってたが、そんなのいつになるか分からない。奴らに逃げられてしまう! 悪が見逃されるのが俺には許せないんだ!」
初めてこのようなイザルの姿を見て、グレイは少なからず驚いていた。
(ああ! くそっ……イザル、お前はずるくて卑怯な奴だな。普段はあんなクソ生意気な態度のくせに、ここぞという場面で殊勝な態度とりやがって……)
グレイは少しの間、黙ったままイザルを見ていたが、イザルは頭を上げる気配がなくグレイの返答を待っている様子であった。
「ああ、分かった、分かった! 一緒に戦ってやるよ」
「……本当か!?」
「ああ。ただし1つ条件がある。一緒に戦うとは言ったが、あくまでも個人個人が自己責任でやることにしろ」
「……どういう事だ?」
「つまり、お互いを助ける義務はないって事だ。オレはヤバいと思ったらお前の事は考えずに逃げるし、お前もヤバいと思ったらオレの事は考えずに逃げろ、って事」
「……分かった、そうしよう。……そういう提案が出てくるあたり、やっぱりアンタは慣れているな」
「慣れてる訳あるかよっ!」
********
施設内でも少し開けた広い空間にて、地下へ続く階段の前に立つライフ団の2人の男女。
男
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