22話目 古代の生命2
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そして今日の朝。
グレイとイザルは、ヒヨワタウンで治安組織のトレーナーを務める者の1人、コオルを目撃場所へ案内することになった。
最初グレイとイザルは、治安組織のトレーナーということで、コオルが強いトレーナーであると期待していた。
山の中で野生のポケモンと遭遇した際、グレイとイザルは、コオルがどんなポケモンの扱いをするのか注目した。
コオルはモンスターボールをいつ取り出したのか分からない程の流れるような素早い動作で、子猫のようなポケモンのエネコを繰り出し、エネコの“ねこだまし”で野生のポケモンを怯ませ、“うたう”で野生ポケモンを眠らせた。その手際の良さにグレイとイザルは舌を巻いた。
しかし、コオルの手際が良かったのは最初だけであった。奇襲攻撃は成功したが、すぐに倒すことはできず、目を覚ました野生ポケモンに苦戦することとなった。一般的な野生ポケモンを相手に苦戦するコオルの姿は、とても治安組織のトレーナーには見えなかった。
見かねたグレイは、野生のポケモンとの戦闘は自分に任せて欲しいと名乗り出た。この時点でコオルに向けられる2人の視線は尊敬の念を含むものではなくなった。
また、このコオルという男、非常にお喋り好きで2人にしつこく話しかけてくるのであった。さらに若干天然っぽい所がある。
見方によっては、コオルは非常に愛嬌ある男性とも表現できる。しかし残念ながら、グレイとイザルは2人とも、愛嬌というものが理解できないタイプの人間であった。
コオルに向かられる2人の視線は、やがて冷たいものになった。
そして現在。
何回か野生のポケモンと遭遇しながら、山を進み続ける3人。
コオルは相変わらず喋り続けるが、グレイとイザルは最早ほとんど反応しない。しかしコオルの喋りは、独り言の性質も兼ね備えており、反応する者がいなくても1人だけで会話が進む構造になっていた。
グレイはコオルの言葉を聞き流し、どうでもいい事を考えながらボーっと歩いていた。
(どうせ治安組織のおっさんは戦えない訳だし、もし古代ポケモンが現れても、戦うのはオレとイザルなんだよな……おっさん居る意味なくね? オレとイザルの2人だけでいいじゃねえか……いやイザルと2人だけとか、それこそ全く意味ねえか。つまり、誰もここにいて意味のある奴はいない……? ああー……おっさんうるせえ……帰りてえ……)
グレイはふと、隣を歩くイザルの顔を見る。
(イザルの奴……帰りたいオーラが露骨に顔に出てるぞおい! まあ、あのおっさんが表情に気づく訳ないから大丈夫か)
3人は歩き続ける。
やがて3人は、昨日プテラが飛び立った場所へとたどり着いた。
周囲に凶暴な古代ポケモンがいる様子は無い。野生のポケモンがのんきに寝ている光景が、その証拠となってい
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