第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
キバ 〜コン・ズランチョ?出逢い〜
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だ。
「渡!!どうした!?急に連絡をよこすだなんて」
「兄さん!!この人拾ったんだけど、酷い怪我なんだ。見てみてくれる?」
「わかった。少し待ってろ」
渡が病院に蒔風を預け、検査結果を待つ。
そしてほどなくして医師と共に兄、登太牙が出てきた。
そして医師に二言三言伝えてから、渡の元へとやってきた。
「もう検査終わったの!?」
「ああ・・・渡、こっちへ」
どうやら人には聞かせられないような内容だったららしく、応接室に招かれ、そこで話を受ける。
「なにがあったの?」
「・・・・何処から話そうか・・・・・」
太牙は話の切り出しに困っているようだ。
二、三分考えて、それから口を開いた。
「彼だが・・・・・本来人間があれだけの傷を負って生きていられることはないそうだ」
太牙が蒔風のレントゲン写真を渡に見せる。
そこには斜めに切り裂かれた傷、切断された肋骨、そしてそれらを強引に何らかの力で接着した跡があった。
「ッ!!・・・・じゃあ・・・彼はファンガイアだったの?」
「それも違うんだ。あの男はファンガイアではなかった。それでいて人間でもあり得ない。これを見てくれ」
太牙がさらにカルテを見せる。
そこに書かれているのはほとんどがドイツ語でわからなかったが、ズラリと書かれた文字がなんのものか、渡は何となくわかった。
「これは・・・・まさか」
「彼の肉体に残っていた傷跡のすべてだ。その内の六割が致命傷、三割が重傷だ。致命傷一発でも死んでしまうような怪我をしている。医師もなぜファンガイアでもない彼がここまで生きてこれたのか首をかしげていたよ」
渡はそのカルテに絶句する。
自分も今まで多くの敵と戦ってきた。死にかけたことも多い。
だが、これほどの死を一身に受ける彼はいったい何者なのか。
そう渡と太牙が考え込んでいると、コンコン、と扉がノックされ、医師が血相を変えて飛び込んできた。
「た、大変です!!さっき搬送されてきた若者が、逃げました!!!」
「な!?」
「なんだと!?」
「本人は「もう大丈夫だから」と言いながら立ちあがっていたのですが、当然我々が認められるわけもなく・・・・止めたのですがすでに病院の外に!!!」
「これだけの怪我で・・・・・」
渡がカルテを握り潰して部屋を飛び出す。
太牙がそれを止めようとするが、医師に一枚のメモ用紙を渡されて携帯を取り出した。
「・・・・・あ、太牙です。多分、そろそろそちらに大怪我をした若者が行くと思うので、はい、はい・・・・お願いします、嶋さん。
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