逆
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は、きっと当たり前のことだと思う。
「こいつは俺を暗闇から抜け出させてくれた。だから、俺がこいつをもっと日の当たる場所に連れていくんだ」
強い意志を持ったその瞳は、悪人のものとは対極に存在しているように感じる。なんでこんなに真っ直ぐな目をしていることに、俺は気付けなかった?
「こうやって村を乗っとることが、そいつのためになると?」
「これは単なる足掛かり。エーメもこの計画が成功すれば、俺たちはその名を世界に轟かせることができるって言ってた」
なるほど。今のを聞いて色々と理解できた。こいつはきっと、過去に何かあったんだ。それによって正義感が歪み、またそれを利用してこいつの能力を悪用するヤツもいた結果が今の彼なのか。
「逆だな」
「はっ?」
「お前のしていることは、そいつのためにはなってない。そいつは悪用されるために作られたわけじゃないだろ?」
もし本当にその武器が自分の魂なのなら、こんなことには使わず人のためや何かの役に立つことに使うべきだ。それをこいつは践み違えている。
「ウソ・・・だってあいつらは・・・」
「そいつらは信用に値する人間なのか?」
意外と頭はいいようで、気持ちがぐらつき始めているのを感じ最後の一押しと説得してみることにした。しかし、なぜか俺の言葉を聞くと、迷っていた彼の心が安定し始める。
「できるさ!!あいつは俺にこいつをくれた。そのおかげで俺はあの地獄の日々から抜けれたんだから!!」
カラスは恩人に報いるために戦っている。何かの影響で正義感を失った彼にとって、その人物が全ての基準。その言葉が正しい道だったんだ。
「だったら俺が、そいつの誤りに気付かせてやるよ」
「上等。俺は何がなんでも勝つからよ!!」
地面から掴みあげた武器を投じ先手を打ってくる。それを難なく回避すると、両腕をクロスさせ彼に向かって突き進む。
「無駄だぜ無駄!!」
もう片方の棒を持つ手を引っ張り投げた方で後ろからの攻撃を仕掛けてくるカラス。今のを見た限り彼の魔力はほとんど残ってないはず。だから力で武器を引き寄せたのだから。
「そんなにこいつが大切なら」
彼の目の前で急ブレーキをかけ背中を向ける。つまり、後ろから迫ってくる武器へと正体したことになる。
「これで仕留めてやる!!」
向かってくるヌンチャクの片端をガッシリと掴み、振り向き様に敵の折れた手の甲を突く。
「っ!!」
重症部位を突かれたことで声にならない激痛に襲われ、全身から力が抜け落ちた青年。その隙に彼の武器をこちら側へと引き寄せ、それぞれを合わせて両手で無理矢理持ち上げる。
「タァッ!!」
「ガッ!!」
高々と振り上げ脳天を撃ち抜く。巨大ヌンチャクの重量と脳天を強打されたカラ
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