逆
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デジャブ》に襲われていると、予想通り腹部に蹴りを入れようとしてきた。でも、二度も同じ手を喰らうつもりはない。こちらも足を挙げてそれを払い、元の状態へと戻す。
「やるな、嬢ちゃん」
「嬢ちゃんじゃないって・・・」
何度言ってもいい改めようとしないカラスに怒った俺は、掴んだ武器を利用して敵の顔付近までジャンプする。
「言ってんだろぉ!!」
「おわっ!!」
持っている武器を引き寄せ敵を近付けると、その顔面目掛けて足裏蹴り。カラスはそのダメージで肌身離さず持っていた武器を離し、地面に背中から崩れ落ちる。
「あれ・・・もしかしてこれ・・・」
着地して彼の使用する武器をまじまじと見ていた俺はあることに気が付いた。サイズが大きくてイマイチイメージがしづらかったからか気付かなかったけど、この武器って・・・
「ヌンチャク・・・だっけ?」
東の国々で生まれたと言われている、二本の棒を紐などで繋いで片手で持って振り回しながら戦う武器なんだとか。本来は全長1メートルほどの武器らしいけど、これはその何倍の大きさがある。
「しかも・・・重たい・・・」
両手で棒の部分の片方を持ち、もう片方を地面に下ろしている体勢で立っているのに重たくて腕が震える。こんなのを振り回していたのか。道理で一撃でも体に響いてくるわけだ。
「おい」
この武器をどうしようかと考えていると、ドスの効いた声が足元から聞こえる。そちらに目を下ろすと、目が血走っているカラスの姿が目に入りギョッとする。
「そいつに触んな」
俺が自分の武器を持っていることが相当気に入らないらしく、かなりご立腹の様子。でも、離せと言われて話すやつはどこにもいないよね。
「絶対ヤダ」
「それは俺の・・・」
舌を出して彼の願いを退けると、カラスはフラッと起き上がり、右手を強く握る。
「魂なんだよ!!」
なりふり構わず振るわれた拳をガードしようと、向かってくるそれの軌道に巨大ヌンチャクを持ってくる。
ガツンッ
拳とヌンチャク、それぞれがぶつかり合った途端そこを中心に強い衝撃波が襲ってきた。
「何!?」
信じられないような衝撃で手がしびれてしまい、持っていたそれから手を離さざるを得なくなる。離した影響で風に飛ばされるが、耐えることは十分にできたため少し後方に押された程度で済んだ。
「ぐっ・・・」
地面を転がる巨大ヌンチャクを手に取ろうとした時、カラスが苦痛の表情を浮かべる。よく見ると、拳を開いた手からかなりの出血が出ており、確実に折れているのが見て取れる。
「お前・・・マジかよ」
痛みを必死に堪えヌンチャクを拾い上げると、まるで何事もなかったかのようにそれを構える青年。それに衝撃を受けているの
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