逆
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一応、ほとんどそんな様子はないが彼も魔導士らしい。だから、彼が起こしたものだと考えれば説明が付く。そう思い彼の方を見るが・・・
「ん?」
どこか変わった様子があるようには見えない。ただ目付きが鋭くなり、集中が増しているようだけど、別段脅威があるようには見えないんだけど・・・
「ふぅ」
小さく息をつき目の前に刺した武器を引き抜くカラス。彼は再び目を閉じた後、ゆっくりとそれを開きこちらを見据える。
「行くか」
来る!!直感的にそう感じた。ただ、どう攻めてくるのかわからない。なので目を全開にし相手の筋肉の動き、魔力の流れに集中する。
ダッ
わずかな動きも見落とさないようにと集中していると、カラスはさっきまでよりも遥かに速い速度で突っ込んできて、あっという間に俺の間合いに入ってくる。
「!!」
武器を振るおうとする敵。彼が動き出すよりも速くこちらも動き出しそれに対応する。
「ぐっ」
魔力を帯びた腕でギリギリ攻撃を防ぐ。でも、威力も先程より上がってきており、衝撃が大きく顔を歪める。
「がら空きだぜ!!」
それでもどこかで防いだと安心していたたところがあったのかもしれない。敵の武器は両端に70cmほどの棒が付いている。つまり、片方を凌いでももう片方から攻撃が来ることがあることが頭から抜け落ちてしまっていた。
「いっ!!」
左脇腹から激しい痛みが全身に走る。元々奴の動きはかなり速い分類に入るとは思っていたが、ここまでの切り返しの速度があったようには思えない。
「水竜の斬撃!!」
痛みを堪えて斬撃を放つ。だが、その攻撃に驚くべき反応を見せたカラスは脇腹を強打した武器で顔を寸前で受け止める。
「ほら、もう届かねぇぞ」
「ぐっ・・・」
押しきってみようと力を入れていくが、相手の方が体も大きいし押し込めていける気がしない。唯一隙があるのは正面なんだけど、こちらもそこに技を仕掛けられる体勢ではないのでなんともしようがない。
「んじゃ」
「あっ!!」
水の剣を力で押し切られ転倒する。ヤバイと思って顔を上げると、そこには武器を振り上げているカラスが立っていた。
「仕留めるとするか!!」
すでに降り下ろしに入っていたらしく、こちらが動こうとするよりも速く敵の攻撃が背中に直撃する。
「がっ・・・」
思いきり背骨に入った攻撃に吐きそうになる。だけど、相手は一度降り下ろした武器をまた振り上げようとしていたので、転がるようにしてその場から一度離れる。
「あ!!コラ!!逃げんな!!」
ある程度・・・ほんの数メートルほどではあるが距離を取ってから体を起こす。
「うぷっ」
ただ、かなりの距
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