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SAO−銀ノ月−
第百二十一話
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。どうやら合流しようと待っていたらしく、それぞれが畳で休憩を取っていたようだ。

「テッチ。ユウキにキリトさんは見ましたか?」

「いや……ショウキさんとしか」

 ただしいたのはノリにタルケン、シウネーにジュンのみで、まだ全員が集まって来てはいなかった。ただしここにいない残りが残りであり、集まったメンバーを気だるげな雰囲気が支配した。

「ぜってーに先行ったろ、あいつら」

「…………」

 ここにいないメンバーは、ユウキとキリトの二人。他のメンバーならまだ楽器を手にいれていないのか、と考えるところだが――よりにもよってあの二人では、まるで話が別になってきてしまう。

 つまり、もうさっさと先に進んでしまったということで。それどころか、早く追いつかなくては先にクリアされてしまう可能性もあることを、ここにいるメンバーの誰もが分かっていた。むしろこのクエストを、もうクリアしたと言っても違和感は――流石にあるか。

「さっさと追いかけましょうか……」

「えー、やだぜオレ。さっき、妖怪の風呂場に突撃して覗き呼ばわりされてよ……」

「あたしなんて、スズメが舌切らせろって襲いかかられたわよ」

「……舐められました……」

「みんな楽しんで来たみたいですね……」

 早くキリトとユウキのコンビを追いかけなくては、と思いながらも、先々に襲いかかられたホラーのような何者かにそれぞれ、ついつい二の足を踏んでしまう。俺は巨大蜘蛛やダイダラボッチに襲われながら、大きいつづらか小さいつづらかの選択を迫られただけだが――タルケンがそう言って話を締めたように、それぞれ楽しそうな笑顔が浮かんでいて。

「……みんなも会ったよね?」

 ――そんな空気の中、テッチが確信を伴った質問を繰り出した。その答えを返す者はいなかったが、誰もがその答えが分かっていた。

「クロービスに……幽霊、か」

『うん。みんなに挨拶したよ』

 仕方なく分かりきった答えを返した瞬間、俺たちが向かおうとしていた通路の先に、その彼は最初からそこにいたかのように立っていた。

「クロービス……」

 狐面の和装少年――クロービス。その名を呟いたのは誰だったかはともかく、クロービスは小さく頷いてこちらに近づいてきた。ピクリと震えるスリーピング・ナイツのメンバーの代理として、一歩前に歩いてクロービスの前に立った。

「クロービス……お前は、スリーピング・ナイツのメンバーだったクロービスなのか?」

『ううん。キミたちが知ってるクロービスは死んだよ? 僕はそのクロービスが作ったAIってところかな』

「っ……」

 スリーピング・ナイツの元メンバーだったクロービスは死んだ、という悲劇的だが純然たる事実は当然のように語られ、
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