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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第57話 水とバンパイア
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「ああ。……まあ、あれだ。結構つくねは疎いんだ。人間界に溶け込んで生活してて、長いって言ってたし。……仕方ないさ、そればかりは。でも、そうでもなかったら、モカにとって毒でしかない所に、つくねがわざわざ連れて行く訳ないだろ?」

 カイトの説明で、とりあえず納得したくるむ。……つくねの事も好きな彼女にとっては、素直に頷けなかったが、とりあえず、納得は出来た様だ。カイトは、くるむの反応に安堵した。なぜなら、まさかつくねは、人間だから知らないんだよ? と、カミングアウトする訳にはいかなかったから。

「ふーーん… まあ、いっか…。モカはどーでも良いんだけど、 とりあえず 様子を見に行こう!(もう1人の旦那さんに会いに♪)」

 くるむはニコニコと笑顔を見せながら、カイトの腕を組んだ。

「はいはい…。行くか。……それに、正直水泳部(あの部)は…、 何だか嫌な感じもするし… 、ちょっと早めに行こう。面倒な事に巻き込まれてなかったら良いんだが」

 そう言い、2人は、足早に、学園プールへ向かった。







〜学園プール〜



 水に入れないモカはプールサイドでつくねを眺めていた。
 そう 水泳部員に囲まれ いちゃいちゃ ベタベタしているところを見ていた。一番見たくないシーンを間近で見てしまったモカ。

「(ムカムカムカ……、も、もうっ限界!!)」

 暫くはモカも我慢してたが、やっぱりムリだった。あからさまだったし、何よりつくねの態度が一番嫌だったから。

「いい加減にしてっ つくねは結局 女の人と仲良くしたくて 水泳部に入りたかったの!?  わたしもう見てらんない! もう行くから!!」

 プールサイドのパラソルつきテーブルに両手で一撃。

 “グシャアアア!”

 と一撃で粉砕。流石、封印されているとはいえ、力の大妖である。

「わああ モッ モカさん! 誤解だよっ誤解!! 待ってっ!」

 くるむが、叫んでも叫んでも、水泳部の女子部員達に、抱きつかれた状態じゃ説得力がない。そのまま、見る事なく、つーんっとしながらモカは離れていく。

「まって! モカさん! わかってよ。オレ… モカさんと一緒に泳ぎたかったんだ! オレは――――」

 プールサイドまで、つくねが近付いて、必死に叫ぶが、モカは変わらなかった。

「何よ! わかってくれてないのはつくねのほうだよ!」
「え…?」

 モカの叫びにつくねは驚いてしまった。

「わたし… 本当は…(ぅぅ……、カイトが、言ってた意味……漸く、判った。でも、でも……)」

 カイトが別れる前に、言っていた言葉。つくねが知らない、と言う意味。もう少し早くに理解していれば、違った対応が出来たかもしれない。でも、
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