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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第57話 水とバンパイア
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そんなカイトに応える様に。
「簡単に……」
「諦めて……」
「なるもんですかーー」
「グフフフ…」
「ええええ!! こ、こわいっ!!!」
もうただただ走るだけ。……走る走る!
そして……
校舎に悲鳴が木霊していた。
残された2人は、呆然としていただけだった。
そして、とりあえずカイトは今回も何とか逃げ切る事に成功していた。
襲撃? に回避する事が出来たカイトは、そのまま見つからない様に、近くの教室に身を隠す事にした。息を潜めて隠れるのが大切だという事はよく判る。学園だと言うのに、猛獣の住むジャングルに放り出された気分だった。
「ああー……、それにしても疲れた。ほんと、疲れた……。 ……今回は、力を使う暇なかった、な。 ……それにしても、あの子達、ひょっとしたら、正体はかなり高位の妖じゃないのか? これだけの時間追いかけまわす体力といい…、それに、追いかけてくるスピードといい…………、じょーきを逸してるよ、まったく……」
腰を下ろし天井を見つめながら呟く。
カイトは、
男
(
やろう
)
には、強気でも、女(じょせい)にはかなり弱いみたいだ。
これが弱点にならない事を…祈るばかりである。
そして、しばらく隠れていたその時だ。
「あらーー? 貴方は」
隠れていた教室の奥から誰かが出てきた。
「っっ!!」
カイトは、誰もいないと思っていたから、驚いていた。……が、直ぐに落ち着いた。見知った相手であり、害のある相手じゃなかったから。
「あなた、御剣君ねー!? ひょっとして 新聞部を実に来てくれたのかなー??」
担任の猫目先生だったから。
「あー、成る程。……ここは、新聞部の部室だったんですね。すみません。ちょっとした緊急事態だったので。すぐ出て行きますよ。』
カイトは、そう言いうと立ち上がった。誰もいない場所だったから、部室とは思わなかった。準備室の類であれば、この場にとどまるのは、迷惑が掛かってしまうだろう。
「あらあら さっきの騒ぎは、君だったのね? ふふふ 人気がある見たいね〜。 以前もそうだったし!」
「……人気がある事は、まぁ、光栄とも思えなくも無いんですが、……ちょっとだけで良いんで、彼女達には加減をしてもらいたいです」
カイトは、頭を掻きながら苦笑をした。そんなカイトを見て、にこやかに笑うのは猫目先生。
「あははは、それはムリなんじゃないかな?? 女の子だもん。観念して捕まってあげたら〜? 彼女たち、すっごく喜ぶと思うわよー?」
「それは、全力で拒否します…」
「取って食いやしないと思うんだけどー」
「『思う』
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