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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第57話 水とバンパイア
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。それでも、身体に触ろうものなら、もう一度攻撃するつもりな様だが……。
勿論、それもカイトは理解できた為、直接触れる様な事はしなかった。
「ん……、 モカ、そのままで……」
そして、カイトは目を瞑り、モカの丁度頭の部分に手のひらを向けた。
すると、次に鮮やかな青い光のようなものが、モカに降りそそいだ。
「………ん。これは……?」
突然の事にモカは驚いた。……が、それでも警戒はしなかった。敵意の様なものは一切感じない。……優しい光だと感じたから。
モカの身体全体をゆっくりと覆った光は、ゆっくりと消失していき……、そしてカイトは目を開いた。その目は朱い。 ……真紅の色だった。
「(カイトの目が……、変わった。それに、何だ……? 心地よい……。ん、 体が……)」
光が消えると同時に、身体に纏わりついていた不快感。痛みなどが一緒に消えていく。……体が楽になっていくのを実感していた。
「……よし、これで暫く休めばすぐに良くなるだろう。気休めかもしれないが、無いよりは良い」
そう言うと、カイトは右手を元に戻した。その瞳もいつもの色に戻っていた。
「カイト。何をしたんだ? 今のは、何だ?」
体が快復したのはわかったが、何をされたのかが判らなかった。見た事がないから。
「ああ、今のモカは、当然大丈夫だろう。……でも、モカも心配してると思うけど、もう1人の方のモカも大丈夫、とは言えないかもしれないだろう? だから、念には念を、ってな」
「……そう、か」
カイトの言葉を聞いて、モカは表情を和らげた。
力の種を明かした訳ではなく、疑問も残るが、自分の手の内をあっさりと話す訳がない、と言う事はモカも判る。だから、これ以上は聞かなかった。……自分を、自分達を思いやってくれている事。それだけは理解できたから。
そんなモカの表情を見て、カイトは軽く笑う。
「ははは。まぁ、おせっかいかもしれないがな。表のモカだってバンパイアだしな。……んー、それにしても、弱ってたモカもまぁ、また魅力的だったな。守ってあげたい、って思わせてくれる」
そういうと軽くウインクしたその時だ。
“ゴスッ!”
と、良い音がした、かと思ったら、それは自分の顔面を殴る音。……顔面パンチが返答だった。
ちょうど、カイトは、片目瞑ってたため、距離感が掴めてなかった+油断していた事もあって、直撃。
「ぶっ!! いた……たた……、くそ、ちょっと ゆだんしたぁ……」
鼻頭を殴られてしまった為、目に涙が溜まってしまう。
「ふん! わ、私を守ってあげたい……などと、身の程を知れ!」
そういうとモカは後ろを向いた。
「……だが、 ありがとな。カイト」
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