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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第57話 水とバンパイア
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…モカが、倒れている方へと駆け出したのだった。
「な、何なの?? これは!!」
比較的、つくねの傍にいた為、免れる事ができ、1人取り残された部長の珠魚はプールの惨状に唖然としていた。
真っ二つに分かれた水もそうだが、何よりも、人魚達が水に束縛されているという、通常なら考えられない光景に唖然としてしまった様だ。
そして、また――驚く事になる。
“ドッゴオオオオオオン!!”
先ほどの暴風が強大な妖気が出ると共に消えたのだ。
「「「「こっ!今度は何!!」」」」
またまた起こった予想外の出来事・妖気に珠魚と他の部員達が思わず叫んでしまった。
水が割れ、暴風が突如現れ――、あまつさえは強大な妖気。混乱してしまったとしても仕方がない。
唯一、状況を理解している者がいるとすれば……、この場ではくるむやカイトくらいだ。
「ふう……もういいだろ。これ以上は、目を覚ましたモカの邪魔になる」
暴風が消えたのは、カイトが術を使うのを止めたからだ。モカが目を覚ました今、あの程度の水では彼女を縛る事は出来ないだろう。外へ出てしまえば終わりだ。そうなれば、あの風はただ、邪魔になるだけだった。
「すっ すごい……」
くるむはモカの強大な妖気。そして、何よりもカイトの力に驚き立ち尽くしていた。
「えーっと……、 カイトはもう助けてあげないの? モカたちを……?」
くるむうは、いつもとは違うカイト……、言わば戦闘態勢のカイトの姿を見たから、いつもの様に話しかけれなかったみたいだった。
そんなくるむだったが、カイト本人はあっけらかんとしていた。
「ん。もう、モカが開放されたからな。大丈夫だ。(そもそも 手を出したら怒られそうだ)それに……」
「ん? それに?」
「ん……、とな。オレは女の子には、手は極力手は上げたくないだ。それが、ああ言う輩でも……な。 ……情けないかと思われるけど、こればっかりは……仕様がない」
カイトは、頭を掻き、苦笑しながらそういっていた。
それを聞いたくるむは、決して情けないなどとは思ってない。ただただ、改めて――思うだけだった。
「………(うん……、やっぱり カイト……、ステキだよ………っ)」
そして、くるむは、いつもの様に、カイトに抱きつきにいったのだった。
今はちょっと空気読んで欲しかった。何故なら――モカが盛大に覚醒しているのだから。
陽気なシーンが一部ではあったが、水泳部の畜生たちにはそんな仄々感は無かった。ただただ、驚いて竦んでいた。
「うっ…… うそっ これが噂に聞いていたモカの正体?この威圧感・・・ まさか これほどの・・・ これ
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