ガンダムW
1552話
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な、そんな態度。
ともあれ、この降伏がこちらの隙を突こうとしている見せ掛けのものではないと判断し、地上へと着地したエアリーズからパイロットが降りてくるのを見ながら、視線をもう一つの空域へと向ける。
そこではスペシャルズのエアリーズ2機と、綾子のトーラスが戦っていた筈だった。
既にエアリーズ1機は下半身が消滅して地上へと落ちており、現在は逃げ回っている残り1機のエアリーズを、綾子のトーラスが追いかけているところだった。
「綾子、あまり遊んでないでさっさと仕留めろ」
『別に、あたしは遊んでいる訳じゃないよ! ただ、この機体のパイロットの逃げ足が……』
「トーラスカノンを使えば一気に撃破出来るだろ?」
『そんな事をしたら、死んじゃうじゃないか!』
……今更そんな事を言うのか?
綾子の言葉に一瞬そんな風に思ったが、すぐに納得する。
これまで綾子が命のやり取りをする為に戦ってきたのは、あくまでも生身での戦いだ。
MSでの戦いは今までにも何度かやってきたが、それは全て模擬戦。
使用する武器はペイント弾であり、同時に最低限まで威力を抑えられたビーム兵器。
MSでの命のやり取りは、これが初めてのものだった。
であれば、こうして躊躇うのも当然か。
普通は、MSでの戦いだからこそ相手の死というリアルな感覚を見なくて済む。
相手のMSを撃破すれば、当然死体が残る事は多くないのだから。
だが、綾子は生身での戦いに慣れてしまっていたのだろう。
だからこそ、逆にMSを撃破する事で敵を殺すというのをリアルに感じられてしまう。
普通であれば気にしなくてもいいようなところを、気にしてしまうのだ。
生身での戦いで人の命を……ましてや人ではない死徒と呼ばれる者の命を奪った経験があるというのは、以前寝物語に聞いた覚えがある。
だからこそ、この世界の普通のパイロットとは違って躊躇ってしまうのだろう。
人の命を奪った経験があるからといって、それに慣れるという程ではない。
しょうがない、か。
これについては、俺が無理にやらせてもどうにもならない。
綾子が自分自身でその辺を乗り越える必要があるのだ。
だとすれば、俺が出来るのはただ見守っているだけだろう。
……いや、他の奴等が妙な真似をしないように監視はするが。
そうして俺の視線の先では、トーラスがエアリーズを相手にして苦戦を続ける。
恐らく最初の1機のエアリーズは、特に苦労もせずに攻撃出来たのだろう。
だが、その攻撃でエアリーズの下半身は消滅した。
トーラスカノンの威力は、エアリーズが使っているチェーンライフルなどとは比べものにならない程に強い。
原作では、トロワの放ったトーラスカノンにより、ガンダニュウム合金で出来たデスサイズ
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