ガンダムW
1552話
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ともかく運動性に欠けるエアリーズだ。
俺の操るトールギスを前にして、その動きは致命的なもの以外のなにものでもない。
スーパーバーニアを噴射し、ようやく俺から距離をとろうとしたエアリーズへと体当たりをする。
勿論そのまま身体からぶつかっていくのではなく、シールドを使ってだ。
ビームサーベルも元々込められているエネルギーを使い切ってしまうと使えなくなるような有限式だ。
核動力を使っている割りには、この辺の技術が発展していないんだよな。
SEED世界のMSのように、機体の動力炉からエネルギーを引っ張ってくればいいのに。
何故かこの世界のビーム兵器はドーバーガンといい、ウイングガンダムのバスターライフルといい、ヘビーアームズのビームガトリング砲といい、ビーム兵器はそれぞれに別途エネルギーを用意する必要があるんだよな。
この辺、技術の発展が遅れていると言うべきか……リーオーがMSとして登場してから随分と経つのにな。
シールドでエアリーズを大きく吹き飛ばしながら、そんな事を考える。
コックピットのある位置を狙っての体当たり……それもスーパーバーニアを全開にした速度での体当たりだ。当然その威力は凄まじく、呆気ない程にエアリーズのコックピットが大きく歪む。
まだパイロットが生きているのかどうかは分からないが、それでも気絶や何らかの負傷はしているだろう。
実際機体制御も何もしないままにエアリーズは地上へと落下していっているのだから。
そうして残り2機となったエアリーズは必死にチェーンライフルを連射しながらトールギスから距離をとっていく。
そんなエアリーズへと向かい、右腕のドーバーガンの砲口を向け……トリガーを引く。
放たれたビームに1機のエアリーズが飲み込まれ、爆散する。
そして最後の1機になったところで、ドーバーガンの砲口を向け……
『降伏する! こちらは降伏をする! だから、これ以上は攻撃をしないで欲しい!』
オープンチャンネルにて、悲鳴のような叫び声が聞こえてきた。
「なら、武器を捨てて地上に降りろ。そしてコックピットから出て、頭を両手の後ろに組みながら地面に伏せろ」
エアリーズへと向かってそんな通信を送る。
本来ならこのまま撃墜してもいいのだが、降伏を申し出てきたのだから、今回の件の証人や情報提供者として扱う事も可能だろう。
幸い今の叫び声を聞く限りでは、何かを誤魔化そうと……こっちの隙を窺って逃げようとしているようには見えないのだから。
であれば、こっちとしても善意の協力者――と呼ぶべきかどうかは分からないが――を無駄に殺す事もない。
俺の言葉に返事をする暇すらないまま、エアリーズは地上へと降りていく。
俺と言葉を交わせばその時点で死ぬと言っているかのよう
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