675部分:第九十七話 降臨への儀式その三
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第九十七話 降臨への儀式その三
「そして黄金の林檎も酒もだ」
「オリンポスの神でありながら」
「不死であることを捨てたと」
「どういう考えかはわからぬ」
それはエリスもわからないというのである。
「しかしアテナはそうしておる」
「わかりたくもありませんが」
「奇妙な話です」
「神でありながら」
四闘神にしてもであった。これはどうしてもわからない話だった。それでその黄金の林檎や酒を楽しみながら言っていくのだった。
「そうしたことをしないとは」
「人であり続けるのでしょうか」
「その様です。ですが」
「今はそのアテナもいません」
「いるのは我等だけです」
「そしてアーレス様も」
彼等だけだというのだ。そしてこのことにあるものを見ていた。それは。
「降臨されます」
「これでアーレス様が戻られれば」
「我等の世界です」
「その通りじゃ。では今は食べて飲み英気を養うがいい」
四闘神に向けての言葉である。
「よいな」
「では。その時に備えて」
「アーレス様の御為に」
こう言ってであった。今は次に備えるのだった。そのうえで彼等は今は食べ飲んでいた。そしてその夜のことであった。
シオンは教皇の間の向こうのスターヒルにいた。そこで星の動きを見ていた。その夜空には赤い星が一際大きき輝いていた。
「間も無くか」
「いよいよなのじゃな」
「そうだ」
こう童虎に答える。彼は思念体を出してきてそのうえで話をしているのだ。
「明日にでもだ」
「明日にでもアーレスの降臨が」
「こちらも時が来ようとしている」
シオンはその星を見ながら言っていく。
「そしてだ」
「行くのか」
「全員で出る」
こう童虎に話す。
「御前はそこにいなければならないが」
「残念じゃがな」
「しかし行かせてもらう」
その時はどうしてもというのだ。
「いいな」
「おそらくわしのところにも来る」
童虎もそれは見極めていた。
「間違いなくな」
「そちらもか」
「同じ戦いになるのう」
「そうだな。結局のところは同じだ」
彼等は話していく。
「戦うということは」
「よし、それでは」
「我々はだ」
それぞれ話をしていく。
「トラキアに入る」
「トラキアでの戦いは激しいものになるのう」
「まさに聖戦だ」
その最後の戦いの場だというのだ。
「行かせてもらう」
「アーレスは手強いぞ」
童虎はこのことも話した。
「それもかなりじゃ」
「我等のアテナと同じオリンポスの神であり」
「同じく戦いの神でもある」
そうした関係なのである。
「それだけに強い」
「先の聖戦でもその激しさははーですのそれに比肩するものだったな」
「思い出したな、そのことを」
「しかとな」
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