虚像-フェイク-part3/虚を砕く者
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リーがその一言を呟いたと同時に、悪意を孕んだ声がルイズたちの耳に入る。咄嗟に身構え、声の方へと視線を向けると…
ボロボロの姿となったアンチラ星人がそこに立っていた。
「あんた…まだ生きていたの!?」
ルイズが思わず声を上げる。
「これが…虚無、か…あの方がほしがるのも頷ける…よもや人間ごときにこのアンチラ星人が敗れるとは…
だが、これで勝ったと思うなよ…たとえ私が倒れても…擬態さえできれば…アルビオンの神聖皇帝の代わりなど誰でも構わん。
それに、あの方はたとえウルトラマンが何人束になろうとも、この星の生命をすべて皆殺しにできるだけの力を持ちつつあるのだ…くくく…」
「負け惜しみのつもりか?」
隻眼を鋭くさせながらガル船長が言う。
「はは…せいぜいあの世で、貴様らが恐怖に慄きながら私と同じ場所に来るのを、待っているぞ…」
最後まで邪悪さを積み隠すことなく、アンチラ星人は最後に不吉な言葉を残し、今度こそ爆散した。
アンチラ星人が倒れたのと同時に、コントロール主であるにせネクサスにも異変が起きた。アンチラ星人が死んだために、動きが鈍り始めていたのだ。
ジュリオはそれを見逃さなかった。
「行け、ゴモラ!」
ジュリオの命令を受け、ゴモラは猛々しく吠え、にせネクサスに向けて突進した。強烈な一撃を受け、にせネクサスは宙に放り出され、地面に落下する。ゴモラは飛び上がり、にせネクサスの背中を踏みつける。ゴモラの体重の重みがかなり深く入ったのか、にせネクサスの背中からバキッ!と何かが割れる音が響いた。
にせネクサスに内蔵された機械の一部にひびが入ったのだ。いくらウルトラマンを再現しようにも、機械である分、精密機械という内臓をつぶされてしまえば故障は免れない。
立ち上がったにせネクサスだが、その動きはかなりおかしくなっていた。ロボットダンスでも踊っているかのように、動きがカクカクになり始めていて、ボディから火花も発生している。
それでもにせネクサスは、障害の排除という任務遂行を最後まで完遂させるために、抜刀に似た構えを取ってから両手を十字に組み上げ始める。
それを見て、ジュリオもゴモラを見て、止めを刺す命令を下した。
「〈超振動波〉!」
「ガアアアアア!!」
角にエネルギーを充てんし、それを必殺の光線としてゴモラは解き放った。同時に、にせネクサスもオリジナルからコピーした光線〈クロスレイ・シュトローム〉を放った。
超振動波とクロスレイ・シュトロームがぶつかり合う。だが、あらかじめ機械の内部が故障したにせネクサスの光線の威力は、だんだんと弱まり、ゴモラの光線の方が上回った。そして、数秒後…ゴモラの光線はにせネクサスのそれを押し返し、被弾。
光線をうけたにせネクサスはもだえ苦しみながら、たちまち木端微塵に砕け散った。
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