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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
虚像-フェイク-part3/虚を砕く者
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ると、ヤマワラワの体からカオスヘッダーが引きはがされてしまっているではないか。
その隙を、ある人物は見逃さなかった。
「エア・スピアー!!」
ドス!と風の魔法が突き刺さった。
「ぐふぁ…!!」
思わぬ不意打ちを食らってしまい、アンチラ星人はその場で一度膝を付いてしまう。一体誰が邪魔をしたのか、顔を上げる星人。
視線の先に、杖を向けて立っている者がいた。
アルビオン兵士の一人…ヘンリーが自分に杖を向けていたのだ。
「き、貴様ぁ…!!」
ルイズを捕まえる前に、邪魔をしたこいつから殺してやる!殺意をヘンリーに変え、アンチラ星人は彼に襲いかかろうとした。
「今じゃ!」
その隙を見逃すまいと、ガル船長たちは残った弟たちやクルーたちと共に、銃でアンチラ星人を攻撃する。
「ち、ええい!!」
邪魔くさく感じた星人は、やむなくターゲットをもとのルイズに戻し、今の空族たちの銃を避け、今度こそルイズを捕まえようと接近する。
星人は空族たちを次々突き飛ばし、ついにルイズの眼前にまで手が届きかけた。
勝った…!
…と思ったのは、それまでだった。
ルイズは、既に虚無の詠唱を完了していた。

「〈エクスプロージョン〉!!!」

彼女の杖の先から放たれた白い光が、アンチラ星人の体に浴びせられた。
「な、が…があああああああああああ!!!」
白い光が爆発を起こし、アンチラ星人は飲み込まれていくと同時に、体中が跡形もなく砕け散った。爆風にあおられ、ルイズや周囲の空族たちも大きく吹き飛ぶ。
だが、地面に叩きつけられた痛みをこらえながら起き上ると、アンチラ星人の姿は跡形もなく消え去っていた。間違いなく手ごたえがあった。
「や、やったわ…やった!!」
「おぉ、やったなお嬢ちゃん!!」
ルイズは大いに喜びに満ち溢れていた。この手で…サイトがこれまで話していた、ウルトラマンを苦しめたという異星人を…この手で倒したのだ。
こみ上げる達成感が、勝利を確信した空族たちと共に、ルイズの心を大いに高揚させた。
「……」
一方で、杖を下した時のヘンリーの顔は、あまり晴れやかではなかった。彼からすれば、それもそうだった。あのアンチラ星人は、約束をすぐに破るような卑劣な星人だったが、同時にアルビオン=レコンキスタに味方をしている者。そんな立場の者に対して杖を向けた以上、自分はアルビオンに戻るのは不可能ともいえた。
空を見上げ、婚約を解消してもなお思い続けている元婚約者のいる浮遊大陸が存在する空を見上げた。
…いや、後悔はない。どうせ奴を頼ったところで帰れないとはうすうす感じていた。なら貴族らしく、誰かを守る騎士として戦うことができた。それだけで…よかった。
「だがこれで、アルビオンを狂わせた元凶は去ったか…」

「…それは…どうかな…?」

ヘン
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