虚像-フェイク-part3/虚を砕く者
[6/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の言葉に、喜びを感じた。
『ムサシよ…残念だが今ここにいる我は、本当の我の、ほんの一部だけだ。我はいくつにも分裂させられ、怪獣たちを思うがまま、凶暴の状態で操るための道具にされている』
「なんだって…!」
カオスヘッダーの語る真実にムサシは驚く。かつて邪悪な存在だった頃のように、カオスヘッダーは自分の意思と関係なくいくつにも分裂させられ、怪獣の凶暴化を促されてしまっているのだ。
『まだ君とコスモスの手を煩わせなければならなくなる。すまぬ…』
『いや、謝るのは我々の方だ。この世界に来てから私はエネルギーを切らしている。私の力をムサシに貸すことができない状態だ。助けに来たというのに…これでは怪獣たちをすくことも帰ることもできない』
謝ってきたカオスヘッダーに対し、コスモスは寧ろ自分に非があると詫びた。コスモスに変身可能なエネルギーがないと聞き、カオスヘッダーは一つの提案を持ちかける。
『そうなのか。ならば…我のエネルギーをお前たちに授けよう』
「君のエネルギーを?」
『私もまた光の存在。コスモスにカオス化しない程度のエネルギーを与えれば、完全ではないが変身できるエネルギーを分け与えることができるはずだ。…もっとも、我はかつて自らの力を与えることで怪獣たちのカオス化を促した者だが』
最後に自嘲気味に呟くカオスヘッダーだが、ムサシは何を言い出すんだと言い返してきた。
「かつての野望を諦め切れなくて、僕とコスモスをカオス化しようとしてるかもしれないって言いたいのかい?それは杞憂だよ。君はもうそんなことはしない」
『……』
あぁ、やはりそういってくれるのか。カオスヘッダーは内心では少し呆れを覚えたところもあったが、これがムサシという人間なのだと改めて認識した。今更だが、あれほど対立していた相手の心を救おうとした、究極のお人よし…だからこそ『真の勇者』になれた。
カオスヘッダーから放出された光が、ムサシの手に握られた輝石に吸い込まれていく。
『頼むぞ、ムサシ…コスモスよ。あの時のように…もう一度我を救ってくれ』
その言葉を最後に、カオスヘッダーは消えた。入れ替わるように、ムサシの輝石が光に包まれ、形を変えた。
コスモスの力が戻った証である、『コスモプラック』に。
「これで、よかったんですよね?ムサシさん」
「ああ、ありがとう。サイト君、ゼロ」
これで、さらわれた怪獣たちを元に戻す手段ができた。あの時の努力を、カオスヘッダーの思いを無駄にするわけにいかない。ムサシは必ず遊星ジュランからさらわれた怪獣やカオスヘッダーを救ってみせると固く誓った。
そしてゼロたちは、そんなムサシの力になりたいと願った。
「ぬ…!」
アンチラ星人は、カオスヘッダーと、それに取り付かれていたヤマワラワに異変が起きたことを察して立ち止まった。見
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ