虚像-フェイク-part3/虚を砕く者
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不快感を覚えた。
「…下等生物が。よほど死にたいようだな!」
そう言って星人は、再び高速移動を開始、今度はグル船長を殴り飛ばした。
「ぬぐぅ!!」
「グル!!」「グル船長!」
彼が吹っ飛ぶ様を見たガル船長たち。
「…!」
ルイズは思わず、また大丈夫なのかと言いかけたが、今はそんなことをしている場合じゃなかった。星人から逆転勝利を手に入れるため、すぐに虚無の魔法の詠唱を始めた。
「グルオオオオオ!!!」
ジュリオやルイズたちが戦う中、荒れ狂うヤマワラワの猛攻に、ウルトラマンゼロも苦戦を強いられた。
「グゥ!!」
見た目からして力強かったヤマワラワは、宇宙拳法をその達人であるウルトラマンレオから仕込まれたゼロ以上に力を発揮し、激しいラッシュパンチを繰り返しては彼を苦しめた。
立て続けに放たれる猛攻に、ゼロは中々反撃のチャンスをつかめない。
反撃に転じきれないゼロを、ヤマワラワはガシッとつかむと、背後の方へと彼を投げ飛ばした。
「ウワアア!!」
ドスン!と音を立ててゼロは地面に背中を打ちつけた。
「痛ってて…何つー馬鹿力だ」
口元を手で拭いながら、ゼロは立ち上がって身構える。向こうがたとえ邪悪な意思に市側されているのだとしても、ためらっていてはこちらがやられてしまう。できればこういう時は、炎のように燃え上がる強い力がほしいところだが、メビウスやネクサスのように、ゼロには姿を変える能力はない。己の今の力のみで戦うしかなかった。
繰り出されたヤマワラワのパンチや蹴りを、ゼロは受け流しながら、拳を叩き込んで反撃を加え始めた。だが、本気でヤマワラワを倒すわけにいかない。ムサシにとって、ヤマワラワはともに元の世界へ連れ帰られないといけない仲間の一人なのだ。
だから、手加減は必然的にしなければならなかった。しかし、ヤマワラワの攻撃力は高く、とても手加減しながらでは勝てる相手とは言えなかった。
「ヤマワラワ!!待ってくれ!」
その時だった。ムサシが、地上からヤマワラワに向けて呼びかけてきた。その声を聴いて、ヤマワラワは動きを止める。
(ムサシさん…!)
ゼロはヤマワラワが動きを止めたのを見て、地上のムサシの方に視線を傾けた。
彼は懐から、紐に括り付けた輝石を取り出し、それを振り回していた。すると、楽器ではないはずなのに、輝石から神秘的で心地よい音色の音が聞こえてきた。
「覚えてるかい、ヤマワラワ!!僕だ、ムサシだ!!
それにカオスヘッダー、ヤマワラワの中から僕のこともわかるか!?」
必死にムサシは、ヤマワラワと、その中に取り付かされているカオスヘッダーに向けて呼びかけた。
だが、その呼びかけに、すぐにヤマワラワは応じなかった。岩の礫を足元から掘り起こし、それをムサシに向けて投げつけようとした。
「させるか!」
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