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艦隊これくしょん 災厄に魅入られし少女
プロローグ3 絶望に染まる艦娘
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『艦娘』………それはかつての艦船の魂を宿した存在。駆逐艦や軽巡洋艦、重巡洋艦、戦艦や空母など様々な艦種が存在するが、共通しているのは全員が少女の姿をしていることだった。
数年前に突如として現れた謎の勢力『深海棲艦』に奪われた人類だったが、同じく謎の存在である通称『妖精』が現れ、後に『艦娘』と呼ばれる少女の姿をした存在を作り出した。少女は進撃してきた深海棲艦と戦闘、初めて撃破することができた。
人類はそれ以来妖精の力を借りて多くの艦娘を建造し、艦娘と共に深海棲艦と戦闘を行うようになった。
しかし、中には艦娘を替えの利く道具や己の欲望のためにしか使わない鎮守府、いわゆる『ブラック鎮守府』が存在するのだった………


………
……



九州を拠点とする鎮守府の一つ、『佐世保第十三鎮守府』の大広間にて、その鎮守府に所属する全艦娘が集まっていた。その鎮守府他の鎮守府に比べ艦娘が多く配属されていた。しかし、そのほとんどの艦娘の表情は暗く、怯えているような感じだった。
その中の一人、金剛型高速戦艦の三番艦『榛名』も同じだった。

(今日は一体何があるというのでしょうか………)

榛名が不安げにそう思った。この佐世保第十三鎮守府の提督である『大車健二郎』は軍の養成学校で優秀な成績を修めてきた、いわゆる『エリート将校』であり、この佐世保第十三鎮守府に着任してきた。
初めて会った時は優しそうな人だと思ったが、それは大きな間違いだった。これはエリート将校に多いことだが、物事は自分を中心に動いていると思っていることが多い。あまりにも無茶な作戦でも自分の思い通りに物事が進まなかったら、失敗したものに責任を押し付けるのだ。
そして何よりも、エリート将校のほとんどは『兵器』もしくは『道具』としか見ていない。それは大車提督も同じだった。
部隊に轟沈者が出ても構わずに進撃し、帰投しても入渠させてもらえず、無茶な作戦でも失敗すれば失敗した艦娘に暴行、懲罰房に連行された。
艦娘も身体の構造は基本的に人間と同じだ。そのため食事も必要なのだが、大車提督は榛名達艦娘を『兵器』としか見ていないため、『補給』として燃料と弾薬しか配給しなかった。
また、夜になれば大車提督のストレスや性欲の解消として夜伽の相手をさせられた。愛玩道具として闇オークションにかけられるものもいた。
そのため一部の艦娘は『PTSD(心的外傷ストレス障害)』を患ってしまっている者もいた。その影響か、すでに何人かの艦娘が鎮守府から逃亡しているが、軍規違反ということですぐに粛清対象となり、同じ艦娘に轟沈させられていた。その中には榛名の姉である金剛型高速戦艦の二番艦『比叡』もいた。
榛名もまた大車提督から暴行を受けたり、懲罰房に入れられたり、夜伽の相手もさせ
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