673部分:第九十七話 降臨への儀式その一
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第九十七話 降臨への儀式その一
降臨への儀式
エリスは四闘神を前にしていた。そのうえで告げていた。
「よいな」
「はい」
「既に」
彼女の前に片膝をついて応える彼等だった。荘重な城の中に彼等のその赤い心や戦衣から出される光が異様な光を放っていた。
「何時でも」
「何でしたら今からでも」
「ふふふ、焦ることはない」
エリスは彼等のそうした感情は抑えさせたのだった。
「それはだ」
「焦ることはない」
「それならば」
「間も無く執り行う」
このことはしかと告げるのだった。
「よいな、間も無くだ」
「間も無くなのですね」
「我々もまた」
「その時こそ」
「我等が揃った時に既に決めていた」
エリスは四人に厳かに告げた。
「このことはだ」
「左様ですね。我等が揃えばです」
「その力を合わせれば」
「アーレス様が」
四闘神も口々に話すのだった。
「この世に戻って来られます」
「その為にも我等の封印を解いて下さったのだとも思っていますが」
「その通りですね」
「無論」
エリスの返答は一言だった。
「そなた達がいればこそじゃ」
「有難き御言葉」
「ではその時には」
「そなた達はわらわと供にアーレス様の御傍を固める者達じゃ」
それがまさに彼等だというのである。
「だからじゃ。よいな」
「わかっております」
「それは」
彼等も承知していることだった。何故四闘神というかとだった。それはアーレスの傍に常に仕えているからに他ならないのだ。
「ではエリス様」
「その時は何時でしょうか」
「今ではないとすれば」
「焦る必要はない」
エリスは余裕の笑みと供に彼等に述べた。
「既に八つの封印は解かれておる」
「それもまたなのですね」
「既に」
「狂闘士達がやってくれた」
それをしたのは彼等だというのだ。
「そしてだ。そなた達も戻った」
「ならば」
「既に用意はできているのですね」
「既に」
「左様。そして」
その言葉を続けていく。
「時が来れば執り行う」
「アーレス様御降臨の儀式を」
「このトラキアの宮殿で」
「アーレス様の玉座の間においてだ」
場所についても話す。アーレスの玉座の間だというのだ。
「執り行うとしよう」
「ふむ。それは」
ここで言ったのはキュドイモスであった。彼はエリスの話をここまで聞いて述べたのである。
「間も無くですね」
「わかるか」
「我等はアーレス様の忠実な僕」
ここから答えたのである。
「それならばです」
「わかるというのだな」
「アーレス様の星の力が最も強くなるその時にですね」
「ふふふ、左様」
エリスはキュドイモスのその言葉を受けてだ。楽しげ
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