暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
真剣で私に恋しなさい 〜無理矢理に勝利を掻っ攫え〜
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二人の額に更なる汗が滲む。
天下の武道四天王。そのうちの二人に加えて川神院総帥が束になっても勝てない否、勝負にならない相手。

しかも鉄心はやられてしまった。
死んではいないだろうが、戦えないだろう。

現状、もはや勝ち目はない。
由紀江はもはや最初に見せていた速さは出ないし、所々から血も滲みだしている。
百代は身体に怪我はなくとも、体力は確実に削られていっている。


「さぁて、お前らは主要人物。しかもメインヒロインだ。とりあえず殺すか。楽しかった。新たな世界で、またやろうか」

「は!大事な弟殺す奴と、んな約束したかないわ!!」

「ざぁ〜んねん」


両腕を開いて「奴」が突進し、ラリアットのように腕が二人の腹部に減り込み、そのまま押しつづけられる。


「ッッ!!まゆ・・・・・ず・・・・」


あまりの勢いと速度に呼吸すらままならない。
「奴」の左腕に「く」の字になってへばりついている由紀江に百代が息苦しそうに声をかけるが、気絶してしまったようで、ぐったりとしてしまっている。

そこから脱出しようとするも、あまりの風圧に身動きができない。
だが、百代は知っていた。このまま「奴」が進めば、壁にぶつかる事を。

そしてこの速度でぶつかれば、自分たちの身体は腰から二つにブチ切られてしまう。
由紀江だけでもとその手を必死に伸ばすが、どうあっても届かない。


終わりか、と百代が本気で考えた時、男の声が聞こえた。





「人の事置いといてクライマックスやってんじゃねぇよ」





メキッ!!!!


その男の足の裏が「奴」の顔面に突き刺さり、二人の身体が勢いで飛び出していく。
そのままいけば壁に激突、ミンチになるところを、青龍、獅子がキャッチした。



「なんとか戦線復帰だバカ野郎」


蒔風が上半身を包帯でぐるぐる巻きにされ、その上に上着を羽織った状態で出てきて立っていた。



「青龍、獅子。二人と鉄心さんを運び込め。あと、大和を連れて来い」

「了解」


そんな蒔風を「奴」は顔面を抑えながらその指の間から睨みつけていた。



「てめ、もう回復しやがったのか・・・・・だが・・・・・」



ゴスッ!!!!!



「万全じゃあ、ねえだろ!?」


「奴」の膝が蒔風の腹部にめり込む。
閉じられた蒔風の口から血が吹き出、包帯をじっとりとした赤が染めていく。



だが蒔風はそれを押し込め、「奴」の両肩に肘を叩き込む。
ゴキボキと音が鳴り、「奴」の両肩を破壊した蒔風が、腹部に蹴りを入れて浮き上がらせてから踵を振り上げて「奴」の頭部を踏み抜いた。

ズゴン!!!と轟音が響き、衝
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