第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
真剣で私に恋しなさい 〜無理矢理に勝利を掻っ攫え〜
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駆け寄って蒔風を運んだ。
「おい、大丈夫か?」
「まぁだ・・・・・・死なな・・・・い」
「急いで救護室に運べ!!こやつを死なせるな!!」
鉄心が叫びながら「奴」に向かう。
百代と由紀江が二人掛かりで攻めているというのに、「奴」は微塵にも苦戦してないのだ。
鉄心は老体なれども、今だに世界に名を馳せる武人だ。
単純な力では百代が上だが、総合的な戦闘力は今だに鉄心の方がが高いほどに。
その間に蒔風を救護室に運び込み、手当てを始める川神院の救護官達。
気を送り込んで出血を止め、輸血パックを運び込む。
蒔風の上半身を左肩から右腰にかけて裂いている斬り口はどす黒く染まっており、もはやなにがなんだかわからない。
そこを消毒し、縫い止めようとした医師の腕を蒔風がガシッ、と掴んだ。
「あ、あなた!?」
「まて・・・・・・そのまま気を送り続けろ・・・・・・・」
「死んでしまいます!寝ていてください!」
「よ、翼人は・・・・・・この程・・・・度じゃ・・・・・・死なない・・・・・血を・・・・・・よこせ」
医師が絶句する。
蒔風のその言に、その異様にギラギラした目に、戦慄した。
そして言われるがままに輸血パックを手渡した。
「はぁ・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・グフッ、ガホッ・・・・・・」
蒔風が血を吐きながら輸血パックを破いた。
零れ出た血は落ちることなく、圧水の力で宙に浮き、蒔風がそれを自分の身体に流し入れる。
その瞬間、蒔風の絶叫が響いた。
無理矢理に血を身体に流し込んだのだ。
今の身体ではその激痛が訪れるのは当然だった。
身体が崩壊しなかったのは彼が翼人であることと、川神院の院生達が気を送り込んでいるからだろう。
クリスや一子、京もそこに混ざっていたし、大和達はもはや願うしかなかった。
「ぎッッ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッア!!そのまま送れ・・・・・・・・できれば・・・・・・・願え!!」
血を噴き出し、だがその血をかき集めて再び体内へ。
更に肉体の強制再生。
蒔風の絶叫が続く。
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「カァァァァ!!毘沙門天!!」
鉄心が己の気を巨大な毘沙門天の姿と成させ、その一撃が「奴」を襲う。
「・・・・・・・ッフッ!!」
だが「奴」が闘気を噴き出し、それを掻き消す。
踏み抜こうとした足から消滅した毘沙門天の衝撃が鉄心を襲い、その身体が吹っ飛んだ。
「鉄心さん!!」
「ジジイ!!」
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