暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
真剣で私に恋しなさい 〜そして決闘、まずは三人(+1)〜
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
離れたところから、椎名京が弓を構えて蒔風を狙っていた。
そして次の矢を構え、撃ってきた!!


「よっ!!(ヒィ!)ハッと!!(ヒュン!!!)」


斬るような音を出して飛んでくる矢を、蒔風はひょいひょいと避けて行く。


「矢ってさーー結構大変だよね?当たるのはたった一点のみ。射れば早いけど、最悪、体一つ分その場から動けば当たんないし」


なあ?簡単だろ?と言わんばかりに回避していく蒔風。
ちなみにご存じとは思うが、そんなことは決してない。

人間をやめたような技量のやつに言われても、説得力は皆無である。



そんなことを言っている蒔風は、京の矢をよけながらも、いっこうに近づかない。
だがそんな蒔風にイラつくことなく、焦ることもなく、標的に向かってただ淡々と矢を速射していく京。


恐ろしいほどの集中力。
一瞬たりとも目を離さず、正確に射抜いていく京に、蒔風は本気で感心していた。


「でもこれじゃなんだから、勝たせてもらう」



蒔風がその手に弓を出す。
それは弓の英霊(アーチャー)の物。

なればこそ、負けることなどありはしない



ドヒュッ!!カカカカカカカカカカンッ!!!!

空中で京の射った矢をすべて撃ち落とし、そのぶつかり合う場所が、蒔風と京の間の真ん中から徐々に京側に寄って行っている。



「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・ッ!!!!」

「ソコォ!!!!もらったぁ!!!」


蒔風が一瞬の焦りを見つけ出し、弓を射る。
その矢は一瞬で二人の距離を進み、京の袖に当たった。

だがここで止まらないのが蒔風仕様だ。
矢はそのまま突き抜けず、京の身体を引っ張りながら壁まで到達し、その部分を縫いつける。


京がそれを抜こうと掴むが、ビクともしない。パラパラと壁の欠片が落ちることすらもないのだ。
完全に詰み・・・かのように思われた。



ビリィ!!


京が裾を引きちぎって蒔風に向かう。
掌底や回し蹴りを放ってくる攻撃は、かなり激しかった。

だが


「徒手空拳もできるとは恐れ入った。でもまだ荒いねぇ」


パシパシと受け、弾く蒔風がウンウンと感心しながら京の腹部に手を優しく当てる。



「・・・・ッァ破ッ!!!!」



ズンッ!!と音が響き、京の身体がガクンと揺れる。
そしてそのまま倒れてしまって、戦闘はどう見てもできないものと見えた。





「勝者、蒔風!!!やるのう、お主」

「ふ、当然。オレは世界最強。この世界じゃどうだか知らないが、オレはもっと強い」




そう豪語する蒔風の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ