第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
真剣で私に恋しなさい 〜そして決闘、まずは三人(+1)〜
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離れたところから、椎名京が弓を構えて蒔風を狙っていた。
そして次の矢を構え、撃ってきた!!
「よっ!!(ヒィ!)ハッと!!(ヒュン!!!)」
斬るような音を出して飛んでくる矢を、蒔風はひょいひょいと避けて行く。
「矢ってさーー結構大変だよね?当たるのはたった一点のみ。射れば早いけど、最悪、体一つ分その場から動けば当たんないし」
なあ?簡単だろ?と言わんばかりに回避していく蒔風。
ちなみにご存じとは思うが、そんなことは決してない。
人間をやめたような技量のやつに言われても、説得力は皆無である。
そんなことを言っている蒔風は、京の矢をよけながらも、いっこうに近づかない。
だがそんな蒔風にイラつくことなく、焦ることもなく、標的に向かってただ淡々と矢を速射していく京。
恐ろしいほどの集中力。
一瞬たりとも目を離さず、正確に射抜いていく京に、蒔風は本気で感心していた。
「でもこれじゃなんだから、勝たせてもらう」
蒔風がその手に弓を出す。
それは弓の英霊の物。
なればこそ、負けることなどありはしない
ドヒュッ!!カカカカカカカカカカンッ!!!!
空中で京の射った矢をすべて撃ち落とし、そのぶつかり合う場所が、蒔風と京の間の真ん中から徐々に京側に寄って行っている。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・ッ!!!!」
「ソコォ!!!!もらったぁ!!!」
蒔風が一瞬の焦りを見つけ出し、弓を射る。
その矢は一瞬で二人の距離を進み、京の袖に当たった。
だがここで止まらないのが蒔風仕様だ。
矢はそのまま突き抜けず、京の身体を引っ張りながら壁まで到達し、その部分を縫いつける。
京がそれを抜こうと掴むが、ビクともしない。パラパラと壁の欠片が落ちることすらもないのだ。
完全に詰み・・・かのように思われた。
ビリィ!!
京が裾を引きちぎって蒔風に向かう。
掌底や回し蹴りを放ってくる攻撃は、かなり激しかった。
だが
「徒手空拳もできるとは恐れ入った。でもまだ荒いねぇ」
パシパシと受け、弾く蒔風がウンウンと感心しながら京の腹部に手を優しく当てる。
「・・・・ッァ破ッ!!!!」
ズンッ!!と音が響き、京の身体がガクンと揺れる。
そしてそのまま倒れてしまって、戦闘はどう見てもできないものと見えた。
「勝者、蒔風!!!やるのう、お主」
「ふ、当然。オレは世界最強。この世界じゃどうだか知らないが、オレはもっと強い」
そう豪語する蒔風の
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