第一部:ゲート 開けり
第三偵察隊 初遭遇する
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ントは、クラスはセイバー(剣士)、真名を『シュヴァリエ・デオン』と言う。フランス王家に忠誠を誓う白百合の騎士で、十八〜十九世紀の人物。ルイ十五世が設立した情報機関「スクレ・ドゥ・ロワ」のスパイとして、フランスで列強各国を相手に立ち回る活躍をした謎多き伝説的人物だ。
さらに軍所属の竜騎兵連隊長や、ロンドンでは最高特権を持つ特命全権大使等でもあったとされている。女であり男、
男であり女、と語られるように、男として服を着込み、男として振舞っていたにも関わらず、可憐な少女と称されるほどの美貌を備えていたという。事実、成人前にドレスを来て赴いた社交界では「美しい娘」として噂を集め、秘密任務のためロシア帝国に潜入した折にもロシア女帝と交流を行い、女帝やその臣下から美しさを讃えられたという逸話が残されている。後年、自分は男ではなく女であると公に秘密を明かし、以降は一貫して女として過ごし、当時のフランス王妃のマリー・アントワネットからドレスを送られたという経歴を持っている。
「アサシンのクラスとして呼ばれた者だ。主に汚れ仕事を担当している。一応今後ともよろしく頼む」
そしてもう一人の方は、ぼそりと素っ気なくそう話すと後はもう用は済んだと言わんばかりに無言となった。浅黒い肌に白髪、武者の甲冑を思わせるアーマーと赤いフードを纏った男で、手榴弾やナイフをポケットに仕込んでいる。彼の特徴的なポイントは、
何といっても死んだ魚のような目、つまりレイプ目である。
彼のクラスはアサシン(暗殺者)、真名を『エミヤ』。人間であったときは衛宮切嗣という名前だった。同名の守護者に「贋作屋」「錬鉄の英雄」の二つ名を持つ「エミヤ」がいるが、この守護者は彼と同一人物ではない。これは人間だった頃の名前であり、
生前は暗殺者として多数の人間をその手で殺めた反英雄。
本来の彼は英霊ではなく、“守護者”と呼ばれる英霊もどき。抑止力の代行者。
人類の“存続するべき”集合無意識が生み出した防衛装置のようなもので、この防衛の在り方は人類側の抑止力とも呼ばれる。「名も無い人々」が選出した、ロビンと同じく「顔の無い正義」の代表者。
彼を一言で表すなら、感情が少ない正確な戦闘機械だ。師を殺した直後の精神に近いが、「正史」における彼と異なり、
心は鋼のままで感情は枯れ果ててしまった。どこの戦場に呼ばれようとも常に人智を超えた理由と目的で血を流し、最短手順で世界滅亡の原因を解決するのならば手段を選ばずにどんな事も行う。故に「甘ったれた人間」等の人倫の枠に囚われた者とは相容れない。とはいえ、是も非もないと観念して選択の余地などないという思考の元で動いているので、決して人間性を失ったわけではない。
この二人は密かにマスターと一緒に来ており
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