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ゲート 代行者かく戦えり
第一部:ゲート 開けり
第三偵察隊 初遭遇する
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異世界こと特地 
自衛隊特地派遣部隊第3偵察隊にて





 今日の特地の天気は雲が所々に存在するが概ね晴れており、偵察任務をこれから行う第3偵察隊にとっては絶好の任務日和である。総勢12名の偵察隊と6人の外国の特殊部隊員は、6人搭乗できる73式小型トラック2台と10人搭乗できる高機動車2台にそれぞれ分乗し、
「特地」と日本政府が名付けたこの異世界の情報収集のために、「二条橋の英雄」こと隊長に昇格した伊丹 耀司(いたみ ようじ)第3偵察隊隊長指揮の下で周辺地域の捜索に移る。


一応公的な目的である現地住民との交流や情報収集のために、そして「帝国」の捕虜から聞き出した「自由の民」という武装勢力と接触するために彼らは行動している。きちんと野営用のテントや食料・水、そして自衛用の武器弾薬をたんまり車内の荷台や空いているスペースに積み込み、車は舗装されていない道のりを進んで行く。



「空が青いねぇ。さっすが異世界だよ」

「こんな風景なら北海道にもありますよ。俺はトロールや巨人が歩いていたり、
ドラゴンや妖精が飛び交う風景を想像していたんですけど、
これまで見たのは死体か野生動物ばっかりで、正直ガッカリっす」

「倉田・サージェントはやっぱり伊丹のようなオタクだったのか。やっぱりそんな気はしていたが、
道理で女性陣が険しい顔をする筈だ」

「えーと、キャプテン・ソープもしかして呆れてます?」

「当たり前だ馬鹿。
一応ここは荒野のウェスタンだ。何時トラブルに遭遇してもおかしくない危険地帯だ。雑談に夢中になるのは良いがしっかり警戒は怠るなよ。ここをイラクやアフガンなど中東だと思えば、自然と気が引き締まるだろう」


あまりにも道中なにも無くて暇なので、
伊丹や倉田などが周りの景色を見ながらそう呟くと、すぐにそれを耳にしたソープの小言が無線越しに入る。何せここは全くの未開の地、
地球の常識が一切通用しない場所なのだ。長年ロシアや中東などでテロリストと激戦を繰り広げてきた彼も、流石にここで気を休めることなどできないので緊張し続けていた。そんな状況下でこんな能天気な事を言っている同僚が居れば、
流石に小言の一つや二つぐらいは言いたくなるものだ。


おまけにソープにとって、伊丹は複雑な心境を抱かせる人間であったのでこのような少しそっけない反応を示したのだ。
彼のせいで気に入っている己の部下ローチがオタクに染まり始めており、信頼する上官のプライスさえも最近染まってきているようだから、
その元凶である彼に多少思う所があるのは仕方ない事だ。


まぁ、互いに年齢的にも精神的にも良い大人だし、おまけに伊丹も一応特殊部隊員であった過去があるので互いに優れた戦士として尊敬しあうポイントがあるから、
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