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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第64話 鬼ごっこ
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、このガキー!」
「ん?」
しかし、殴り掛かった金属バットがフウエイの身体に当たる寸前にフウエイの右眼が万華鏡写輪眼となり、すり抜けて硬い地面に当たり両腕に強烈な痺れが走った。
「な、何!?す、すり抜けた」
「おじさんにもタッチ!」
両腕の衝撃を受け流そうと立ったまま堪えているバンダナの男の脚をフウエイはペタペタと触った。

「あ......ああ、そういえば幽霊には効かなバ!」
床に転がっていた金属バットが磁力で持ち上がり縦に回転しながらバンダナ男の頭を殴った。

「びっくりしたなー。まんげきょを使ったぞ。パパから禁止されているのに」
バンダナの男の磁力を解除すると、今度は金属バットを手に持ってブンブン振り回しながら追いかけ始めた。

「はあはあ、すり抜けた......やっぱり幽霊だ」
「どうすんだよ!かなりの悪霊だぞ!無邪気な顔して地獄に引きずり込むんだ!」
「待て!俺に考えがある!」
逃げ回っていたとある集団の中で息を切らしながらスキンヘッドの男性が声を上げた。
「な、何だ?」
「俺が最近観たホラー映画での対処法だ」
「何でも良いから早く言えー!」
スキンヘッドの男性はドヤ顔で顎に手を当てながら言う。

「井戸に突き落とすんだ」

...............

「どんだけ古い映画観てんだよ!」
「待て!上から石で出来た蓋をするんだ。この人数ならイケる!」
「この科学が発達した学園都市の何処に時代遅れの井戸があんだ!!」
「そうか!しまった」
驚愕の表情を浮かべるスキンヘッドの男性に他のメンバーも呆れ顔だった。

「キャハハハッ!」
フウエイは不良達の中を縦横無尽に動きながら、楽しそうに笑っていた。

アジトは阿鼻叫喚の渦に飲まれていき、まさに地獄絵図の展開だった。

******

路地裏を赤いジャージを着て、ニキビだらけの顔をした男が頭を掻きながら、買い取った写真を見ていた。
「ちっ......どれもターゲットじゃねーな」
赤い手袋をした手で頭を掻きながら、盛大に舌打ちした。
「あーあ!面倒な仕事を貰ったもんだぁ。畜生道のワン公にでも遣らせればいいんだ」
指を弾くと火花散って、写真数枚に火が付いて燃えていく。
男の紅い前髮の隙間から片方だけ紫色の波紋状の瞳が鈍く光っている。

「ん?」
自分の組織したアジトから青い顔をしたメンバーが命からがら逃げ出していくのが目に付いた。
「冗談じゃねー!すり抜けるわ、刃物は吸い付いてくるわ!やってられるか......!?」
迷彩のシャツを着た男の前に紅い髮をしたジャージ姿の男が仁王立ちで現れると強い味方が来てくれたかのように拝むポーズをした。
「何かあったのか?」
「ぼ、ボス!!待ってましたよ!そのガキの霊が暴れ
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