暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
世界のビール飲み比べ
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何だお前ら、ランビックは初めてか。」

「ランビック?何よそれ。」

 よほど酸っぱさに面食らったのか、うっすら涙目のビス子が反抗的に聞いてくる。

「ランビックってのはベルギーの首都であるブリュッセルの側で作られてるマイナーなエールでな。今みたいに培養された酵母を使わずに空気中の天然の酵母を使って発酵させるんだよ。その種類は80を超え、中にはヨーグルトなんかに使う乳酸菌なんかも入るんだ。」

「なるほどね、だから酸っぱいんだ。」

「そういう事。ホントは3年くらい熟成させたのが飲み頃らしいんだが、これはまだ1年くらいでな。熟成の変化を楽しみたくて若いのを買ったんだ。」

 俺も一口飲む。……うん、上手く育ってきてるな。今度はランビックがちゃんと商品となっている物を出そうか。

「さて、さっきのランビックだがな。その特徴的な酸味を際立たせる為にフルーツの果汁を加えたりするんだ。その中でも有名なのがさくらんぼの果汁を加えたこのクリークだ。」

 今度はジョッキではなくフルートグラスに注いでやる。

「さぁ、こっちを利いてみな?」

 クリークを一口飲んだドイツ艦達の表情が変わる。

「酸っぱいは酸っぱいけど……」

「ここまで来ると爽やかさを感じるわね。」

「だろ?炭酸がほとんどなくて酸味が強いから、こういうサワードリンクみたいな味に仕上がるんだ。面白いだろ?」

 クリーク以外にもランビックに果汁やシロップを加えて仕上げる事がある。カシスやラズベリー、桃、葡萄、苺、変わった所だとリンゴやバナナ、パイナップル等を加えてワインやシードルの様に楽しむ……そんな変わった1本だ。変わり種の次は王道、俺個人が選ぶとしたら『ビールの王』はこれだという1本を紹介しよう。
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