暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
世界のビール飲み比べ
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
晩はアトミラールさんのお料理食べられるって言うから、演習で頑張ってお腹空かせて来たんですよぅ……。」

 そう言いながらすすり泣くプリンツ。お前はどんだけ楽しみだったんだよ、嬉しいけれども。

「今夜はドイツ艦娘全員をもてなすからな。本場ドイツのビールと料理を……とも思ったんだが、それだと面白くないからな。どうせなら、世界中のビールと肴を味わって貰おうと思う。」

 そう言って俺はジョッキを取り出した。




「さて諸君、ビールには大きく分けて2つの種類があるのは知ってるかな?」

「簡単よ!ドイツのビールかそうでないかよ。」

 流石はビス子、期待を裏切らないトンデモ解答ありがとう。

「……確か、エールとラガー…じゃなかったかしら?」

「流石はマックス、博識だな。…そう、エールとラガー。発酵と熟成のさせ方の違いでビールは大きく2つに分けられる。」

簡単に説明すると、ビールを発酵させる段階で液体の表面に菌の層が出来る(上面発酵)のがエール、逆に液体を入れている容器の底の方に菌の層が出来る(下面発酵)のがラガーだ。それぞれ得意分野が違うので、これも簡単に解説。

《エールの特徴》
・瓶内熟成が得意

・熟成の度合いで味が変化する

・常温で発酵、熟成させる為にラガーよりも手間がかからない

・昔はビールといえばこれだった。

・副原料等で多彩な味が作りやすい

《ラガーの特徴》
・低温発酵、低温貯蔵が必須の為、エールよりも設備投資に手間暇とお金がかかる

・キリッと冷やして飲むのが美味く、現代だとこちらが好まれる

・世界的に見ても現在主流のビール(正確にはラガーの亜種)

・エールよりもコクとキレが強い

「ドイツはラガー王国と思われがちだが、アルトやヴァイツェン、ケルシュなんかはエールだな。…さて、そんなエールビールの中でも特に変わった奴を味わって貰おう。」

 俺はそう言ってカウンター横に置いておいた樽に木ネジ式の注ぎ口を捩じ込み、そこから人数分のエールをジョッキに注いだ。

「泡が無いわね、これ。」

「なんだか変な臭いもしますって。」

 初めて見る奇妙なエールに不満たらたら、といった様子だな。

「まぁまぁ、とりあえず乾杯しようや。」

「「「「「「かんぱ〜い!」」」」」」

 そうしてジョッキを打ち付け、一口飲んだ途端

「「「「「「すっぱァ!」」」」」」

 同じ様なタイミングで叫ぶドイツ艦娘達。仲良いなお前ら。

「提督!何よコレ!」

「腐ってるじゃないですかぁ!」

「流石に腐った物を飲ませる事は無いんじゃないか!?」

 ドイツ艦達は非難轟々、こんなものを飲ませやがってと言った所か。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ