第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#38
星魔の絶戦 千変VS星の白金Y〜Desolation Crisis “Beelzebub”〜
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ずに。
だがどこに隠れようと無駄なコト。
“この姿” になったオレは別存在だからな」
剛槍、 『神鉄如意』 を片手に携えたまま呟く雷獣、
その全身、至る所に被膜無き剥き出しの眼球が出現した。
ソレはズルリと躯から次々に抜け出し、
紫色の虹彩を宿しながら宙を浮遊し
シンガポールの街並み全域を俯瞰で見据える。
さながらジョンガリ・Aのスタンド能力、
しかし眼球自体で直接視るため精度は
こちらの方が上かも知れない。
正に “千眼” の魔人、紅世 『将軍』 の名に恥じない禍々しさ。
(イルヤンカ、相も変わらずの剛勇さ、相手は塵も残らぬな)
(オルゴンは敗れたか、相手が悪過ぎたというのもあるが、惜しい男よ)
(愛染兄妹は意外にも随分押されている、コレが終わったら加勢にいってやるか)
(ほう、人間の小娘が生身でアノ “万条の仕手” と渡り合うとは、
なかなか侮れぬな、スタンドとやらも)
( “弔詞の詠み手” ……! この女が何故ここに……!?)
(フン、オレ相手に強気だったのはその微細な生物群の所為か。
最も、 “今の” オレには通用せんがな)
(この小娘は……燐子に苦戦するような脆弱な者がどうしてこの戦場に居る?
まぁ道ながらに喰らってやるか、おそらく四半秒かかるまい)
戦場の戦域、全ての戦況を雷獣は “同時に” 把握した。
あらゆる光景をあらゆる角度から、
浮遊する “千眼” が具に捉えていた。
元は探査目的ではなく、戦場の最も劇烈な部分を選別する為の能力であるが
手にした超宝具を活かすのにコレほど適したモノもなかった。
「標的」 はすぐに見つかる、そして
“その場に行く必要もない”
「……」
半時前の祖父と同じく、無頼の貴公子は身を潜ませた
建物の裏口で紫煙を燻らせていた。
隠密行動をしている者とは想えぬ大胆さだが
あくまで目的は戦闘そのもの、退くつもりも
助力を乞う気も一切ない(ジョセフが聞いたらどう想うかしらないが)
あくまでたった一人で、完全にヒトの形容を捨て去った
雷獣に立ち向かう心算だ。
(……追ってこねぇな。しばらく動き回ってアノ剛槍の
射程距離なり精密性なり確認しときたかったが、
流石にバレバレか。なら――)
承太郎の思考はそこで途切れた。
メ゛リ゛ィ……ッ!
背を預けたコンクリートの壁から突如飛び出してきた無数の拷刃、
その形容は貫突に特化するため刺突剣状に変化し
壁面全域から古代の陥穽の如く承太郎の全身をスタンドごと
余す所なく串刺しにする。
その光景を上空、死角の位置から見据える眼球。
夥しい穿孔が残る凄惨な現場から余
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