第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#38
星魔の絶戦 千変VS星の白金Y〜Desolation Crisis “Beelzebub”〜
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【1】
無頼の貴公子、空条 承太郎、紅世将軍 “千変” シュドナイ、その最終局面。
苛烈壮絶の極み、一騎当千足る両雄の戦端は慮外の静寂によって斬られた。
斬切の音もなく、筋肉の起こりもなく、およそ一切の予備動作を無くして
その剛槍は延びた。
本刃ではなくその周囲に群がる副刃数十本が意志を持ったかのように、
屈曲しそれぞれバラバラの軌道でスタープラチナと承太郎に襲い掛かる。
ソレを持つ雷獣、真の姿を顕した “千変” シュドナイは
両腕をはち切れるような胸筋の前で組んだまま
片手で剛槍を握っているに過ぎない。
半ばスタンド、或いは太古の流法にも酷似した能力だが、
しかしソレは紅世最強宝具の一つ、
『神鉄如意』 の一部にすら充たない。
“にも関わらず” 延びた副刃はさながら拷器の檻、
ただ延びたのではなく凄まじい速度で変形を繰り返しながら、
空気抵抗以下阻害となる法則を切り裂いて全方位から承太郎に迫る。
「オッッッッッッッラアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァ ―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!」
瞬速の判断、スタンド、スタープラチナが真下への正拳で
アスファルトを砕き噴出する飛礫群、
巻き起こる粉塵は目標の捕捉を困難にし散開した破片は
副刃にブチ当たりその軌道を大きく逸ら、さなかった。
「……」
「……」
爆風に紛れ10数メートル離れて対峙する貴公子と雷獣。
バシュウゥゥッッ!!
一方の躯とスタンド、全く同一箇所から無数の鮮血が繁吹きを噴いた。
通常武器にも成る近距離パワー型スタンドの 「破岩弾」
しかし紅世最強宝具 『神鉄如意』 は “そんなもの” など
文字通り歯牙にもかけなかった。
高速の低身回転移動キレ鋭く拷器の包囲網
最も手薄な部分を潜ったにも関わらず、
さして軌道が変わらず尚かつその速度故に、
カウンター気味に入った刃閃はより切れ味を増して承太郎の四肢を裂いた。
「チィ――ッ!」
脅威に戦慄するよりも先に動く精神、
周囲360°を完璧に捉える雷獣の視界全域に
煌めく軌跡を残して承太郎は姿を消した。
無論逃走 (どこぞの家系では最終奥義とも云うが) ではなく戦略的撤退。
刹那の一合ではあるが得られた情報は少なくない
(刃の変形速度、その軌道、硬度、強度、付加能力の有無 etc)
これらを総合して勝機を紡ぎ出す 『洞察力』 が承太郎には有る。
闘争の血は未だ滾りに滾っているが殺し合いはコロシアイ、
相手の能力も解らずに突っ込んでの犬死には望む所ではない。
「……潜んだか。異能の気配を消し微かな余韻すらも残さ
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