4/11 堂島家へ
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は…君かい…
霧で姿をはっきりと視認することは難しいが、おぼろげにだが輪郭は分かる。
―――――ふふふ…やってごらんよ…
また挑発・・・。何だ、こいつ。
でも、そっちがその気なら・・・。
俺は駆けると、右足で地を蹴ると左足で影の側頭部目がけて脚を振る。
悪漢対策の格闘技が役に立つ時が!
!!
―――――へえ…この霧の中なのに、少しは見えてるみたいだね…
役に立ってねぇ…。
つうか、手応えが無かった…。
避けられた?いや、確実に当たった。
俺はもう一度影に接近すると、掌底で攻撃を繰り出す。
だが、やはり手応えは感じられない。
どういうことだ……。
幽霊?
―――――なるほど…。確かに…面白い素養だ…。
素養?どういう意味だ。
確かに、ということは俺のことを知っている?
ヤダ、ストーカーかしら?
ちょっとカマっぽくなっちまった。
―――――でも…簡単には捕まえられないよ…。求めてるものが“真実”なら、なおさね…。
何を言っているんだ、こいつは。
―――――誰だって、見たいものだけを、見たいように見る…。そして霧は、どこまでも深くなる…。
霧?周りに広がっている霧のことか?
それとも、何か別の意味があるのか?
―――――君とは、不思議とまた会える気がするよ…。こことは別の場所で…。楽しみに待っているよ…。
ストーカーとはもう会いたくないな。
この街に来てから、変なことばっかりだ。
いよいよ、原作の始まりか。
嫌な予感がするよ、まったく…。
俺の意識は闇へと沈んで行った。
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