4/11 堂島家へ
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へと走って行った。
菜々子が左利きだったら、どうするんだろうか。
日本人は右利きが多いから、大丈夫だろうけど。
「どこかお出かけで?」
「いや、こいつを迎えに来ただけだ。都会から、今日引っ越してきてな」
店員の問いに、車から降りて伸びをする俺を見て叔父さんは答えた。
「へえ、都会からすか」
「ついでに満タン頼む。あっ、レギュラーでな」
「ハイ、ありがとうございまーす」
「一服してくるか…」
叔父さんは店員にそう言い残し、一服するため歩いて行ってしまう。
俺はどうしよう…。空の雲でも眺めているか。
おっ、あれ魚みたいだ。鯖、鰆、鰯、鰤?
…自分で言っといて何だけど、どうでもいい
「君、高校生?都会から来ると、なーんも無くてビックリっしょ?実際、退屈すると思うよ〜。高校の頃つったら、バイとするか友達んち行くかくらいだから。でさ、ウチ今、バイト募集してんだ」
マシンガントーク。俺、何も言ってないんスけど。
でもまあ、東京と比べたら行くところは無いな。
けど、だからこそのこの街だと思う。
でも、バイトか。考えてみようかな。
「ぜひ考えといてよ。学生でも大丈夫だから」
そういうと店員は右手を差し出してきたので、俺も右手を出して握手を交わした。
その瞬間、何かが俺の中に入って気がした。
……ん?
「おっと、仕事しないと」
店員は慌てた様子で、仕事に戻って行った。
気のせいか?気のせいだな。
すると、いつの間にか戻っていた菜々子ちゃんが俺を見つめていた。
その瞬間、頭に痛みが走った。
「大丈夫?車酔い?ぐあい、わるいみたい」
確かに菜々子ちゃんの言うとおり、長旅の疲れからか頭痛と軽く目眩もする。
「どうした、大丈夫か?」
「大丈夫です…」
「長旅だったろうからな。疲れが出たんだろう。無理もない」
叔父さんの言うとおり、ここまで結構かかった。
でも、さっきまでは何ともなかったのに…。
「散歩がてら、その辺でも見てきたらどうだ?戻ったら、声をかけてくれりゃいい。俺はここで待ってる。外の空気でも吸って来るといい。ついでに、ここは近所だからな。地理も簡単に覚えるといい」
「はい」
ここは東京とは違って、空気が良い。
東京の汚れた空気とは全然違う。
本屋の前まで来ると、マリーが立っていた。
ちょっと話しかけてみよう。
「あれ、どっかで会った?」
「駅で何を?」
「駅…?ああ、あの時の。…何もしてない。ちょっと行っただけ。…行くとこ無いから」
行くとこが無い?どういう意味だろうか。
かなり複雑な家庭環境と言うことか。
少女は黙り込んでしまった。これ
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