4/11 堂島家へ
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る。まるで人生のようですな。フフ、実に面白い」
イゴールは左手でカードをめくるような動きを見せると、俺から見て手前にある右下のカードが表になった。
「ほう…。近い未来を示すのは塔の正位置。どうやら大きな“災難”を被られるようだ」
「…」
タロットは詳しくない。占い全般と言った方が正しいか。
俺はイゴールに口を挟むことはせず、ただ黙って成り行きを見守る。
「そして、その先の未来を指し示すのは…」
イゴールは再びカードをめくる仕草で、今度は先程めくったカードの反対のカードが表になった。
「月の正位置。“迷い”、そして“謎”を示すカード…。実に興味深い…。貴方はこれから向かう地にて災いを被り、大きな“謎”を解くことを課せられるようだ」
つまり、俺の未来は“災難”、“迷い”、“謎”を被る未来にあるということか。
それが、事件のことだろうな。
どんな事件かは覚えてないけど。
「近く、貴方は何らかの形で“契約”を果たされ、再びこの場においでになることでしょう。今年、運命は節目にあり、もし謎が解かれねば、貴方の未来は閉ざされてしまうやも知れません」
節目の年…。謎を解かなければ、未来は閉ざされる。
怖いな…。
「私の役目は、お客人がそうならぬよう、手助けをさせて頂く事でございます」
もし俺にそんな未来が訪れたら、イゴールが協力者となってくれる。
ペルソナの合体!だな。
「おっと、ご紹介が遅れましたな。こちらはマーガレット。同じく、ここの住人でございます」
「お客様の旅のお供を努めて参ります。マーガレットと申します」
イゴールは右側に座っていた青い服を着て、黒いタイツを穿いた銀髪の女性へと目を向ける。
うーむ。何度見ても美人だ。
「詳しくは追々に致しましょう。ではその時まで、ご機嫌よう…」
イゴールがそう言った瞬間、俺は意識を手放した。
ハッと目を覚ますと、俺がいるのは電車の中。
ここは・・・・・・。
叔父には会ったことがあるようだが、俺はまったく覚えていない。
会ったのは赤ん坊の頃らしいから、当然と言えば当然か。
やっぱりイゴールに会ったな。原作通りか。
どんなことが待っているのかな。
「次は終点、○○駅〜。稲羽市方面行のお客様は、3番ホームでお待ちください。忘れ物の無いよう、お願い致します。ご利用、ありがとうございました」
乗換か。降りなきゃ。
俺はボストンバッグを担ぐと、電車から降りて放送で言っていた3番ホームに向かう。
10分ほどでやって来た電車に乗り、目的地に向かう。
乗っている人はまばらで、座席はかなり空いている状況だった。
俺はボックスシ
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