艦娘とスイーツと提督と・5
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「まずはメインの材料のカスタードクリームだな。卵黄全部とグラニュー糖を半分入れて、もったりとしてくるまでかき混ぜる。」
「りょ、了解です!」
手際よくカシャカシャと泡立て器でかき混ぜていく春雨。成る程、普段からよく料理をするだけあって手際がいい。俺はその間に鍋に生クリームと牛乳を入れて温める。沸騰直前まで温めたら、春雨が混ぜた卵黄とグラニュー糖を少しずつ加えながら混ぜ、全て混ざりあったら濾してやり、バニラエッセンスを適量加える。
お次はもう焼きに入るぞ。
「春雨、ココット皿の内側にバター塗ってくれ。」
「は、はいっ!」
バターを塗ったら生地を型に流し込んで、天板にお湯を張り、100℃に余熱したオーブンで30分、焦がさないようにじっくりと火を通す。
「け、結構手間がかかるんですね。」
「まぁな。食感が命のお菓子だから火加減が重要なんだ。」
焼けたら取り出して冷蔵庫に入れてしっかりと冷やし、その間に上にまぶす粉砂糖とグラニュー糖の残りを混ぜておく。
「さぁ、大事な仕上げだ。しっかりと冷えた生地の上に砂糖をまぶして、バーナーで炙る……ってのは、さっき見せたよな?」
それ以外にはオーブンを高温に上げて再びオーブンに入れ、ムラなくカラメル色に焦がしてやる。慣れない内はオーブンでやった方が失敗も少ないぞ。
「バーナーでやる時のコツはあるんですか?」
「そうさなぁ……こればっかりは場数を踏んで慣れないとなぁ。…あ、艦娘ならではの方法があるぞ。」
「な、何ですかそれは?」
「バーナーで炙る時に雪風か時雨に側にいてもらえ。最悪やってもらうのもアリじゃないか?」
「……えっと、それってコツって言うんですかね?」
「コツというか、験担ぎというか……けど、悪い結果にはならないと思わないか?」
「確かに、そうですねw」
そこで作ったクレームブリュレはお土産として春雨に持たせてやり、後日白露や夕立にお礼を言われた。……なんだか本当に父親の気分だ。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ