艦娘とスイーツと提督と・4
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜皐月:アップルパイ〜
「ホイお待たせ、焼きたてアツアツだから気を付けろよ〜?」
「わぁ、ありがとう司令官!いっただっきま〜す♪」
4人目のチケット当選者、皐月のリクエストはアップルパイ。折角だからと焼きたてアツアツのを出してやった。まだ湯気の立っているパイの真ん中にフォークを突き刺し、無邪気に大口を開けてかぶりついた。サクリ、とパリパリサクサクのパイ生地の砕ける音と共に、
「〜〜〜〜〜〜っ!」
皐月が声にならない悲鳴を上げた。そりゃ当然、焼きたてアツアツだからな、パイの中身の林檎のコンポートもアツアツなワケで。あんな大口でかぶりついたら火傷しかねない。
「ほ〜れ言わんこっちゃない。ほれ、牛乳だ。取り敢えずそれ飲んで口の中冷やせ。」
涙目で顔を真っ赤にしながら、コップの牛乳を一気に飲み干す皐月。
「ふへええぇ〜、ボク、マジで沈むかと思ったぁ〜……」
「轟沈理由:アップルパイなんて報告書に書けねぇからそれは勘弁してくれ。」
思わず苦笑いしながら、茶化すようにそう言った。
「でもホント、司令官ってお料理上手だよね。」
「そうか?間宮や鳳翔には敵わねぇぞ?流石に。」
「そんな事ないよ、間宮さんなんかこの前、『提督に負けたら私の立場が……』って、お店でブツブツ呟いてたよ?」
おいおい、穏やかじゃねぇなぁ。あくまで俺の料理は趣味の延長線であって、カロリー計算とか栄養バランスなんて物はハナから計算したことすらねぇ。
「あっちはプロだからなぁ。アマチュアが幾ら褒められてもプロには勝てんさ。」
「そうかなぁ、このアップルパイだって生地はサクサクだし、中の林檎も甘過ぎないし酸っぱすぎないし、とってもいいバランスで美味しいと思うんだけどなぁ。」
「お〜?何だ何だ〜?改ニになった途端に随分一丁前なコメント言うようになったな〜?」
そう言いながらクシャクシャと頭を撫でてやる。そう、皐月はこの間改二の改装計画が持ち上がり、艤装と制服、装備一式を新調したばかりだった。
「や、止めてよ司令官〜!頭ぐしゃぐしゃになっちゃうだろ〜!?」
まぁ、中身はあんまり変わっていない様だがw
「さて、と。一切れ食べ終わったが、お代わりは?」
「もっちろん!お代わりしないワケにはいかないよ、こんなに美味しいんだもん!」
「ハイハイ、少々お待ちをお転婆姫。」
俺は苦笑いしながらお代わりのパイを取りに行く。
「ホラよ、お代わりのパイと……パイに使ったのと同じ林檎で淹れたアップルティーだ。飲むか?」
「は〜い!いただきまーす!」
程よく冷めたパイにかじりつき、身震いする皐月。そこに淹れたばかりの温かいアップルテ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ