668部分:第九十六話 神々その三
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第九十六話 神々その三
「今はだ。これで矛を収めるとしよう」
「下がるというのか」
「できればここで聖域を滅ぼしておきたかったものだがな」
余裕を含んだ言葉は変わらない。
「しかしそれができないとなればだ」
「立ち去るというのだな」
「如何にも」
返答は迷いのないものだった。
「そういうことだ。それではな」
「わかった」
それを聞いてだった。アイオロスも矛を収めた。彼の全身を覆っていた小宇宙が急激に消えていく。
「では私もだ」
「闘いを止めるか」
「退く者を打つ気はない」
こう言うのである。
「だからだ」
「そうか。わかった」
「ではサガよ」
まだポポスと闘うサガに顔を向けての言葉だった。
「ここはだ」
「闘いを止めよというのだな」
「その通りだ」
こう告げたのである。
「今はな。それでどうだ?」
「そうだな」
そしてポポスも彼のその言葉に頷いたのだった。
「きりがいいところだな、確かに」
「わかってくれたか」
「他ならぬ貴様の言葉だ」
だからだというのだった。
「わからぬ筈がない」
「済まぬな。気が乗っていただろうがな」
「いや、いい」
それはいいというのだった。彼も。
「言ったな。貴様の言葉だからだ」
「そうか」
「ジェミニよ」
彼はあらためてサガに告げたのだった。
「闘いは今はこれで終わりだ」
「そうか。下がるか」
「また会おう」
微笑んでの言葉だった。
「そしてその時こそはだ」
「決着をつけるろいうのだな」
「如何にも。その通りだ」
まさにそうだというのであった。
「その時まで命は預けておこう」
「その時に貴様を倒す」
そんな話をしながら闘いを終えるのだった。お互いに小宇宙を収めていた。闘いが終わった何よりの証拠だった。
そしてだ。デイモスもそれは同じであった。
「サジタリアスよ、また会おう」
「ふむ。それではだ」
「ではな」
こうして二人は静かに戦場を後にした。霧の様に姿を消してそれで終わりであった。十二宮前での戦いはこれで終わった。まずは十二宮への侵入は防がれはした。
二人はすぐにシオンの前に赴き戦いの報告をした。他の黄金聖闘士達も一緒である。
「そうか」
「はい、以上です」
「十二宮への侵入は」
「見事だった」
シオンは二人の言葉を受けて静かに述べた。
「だが。それでもだ」
「はい」
「多くのことがわかりました」
そうだというのだった。
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