28話「犬さんの投石器無双」
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
娘の尻尾をモフモフして癒されながら寝よう……。
ああ、ご都合主義な異世界に行きたいなぁ……。
『戦いながら現実逃避しちゃ駄目ぇー!』
『犬さん!勝ち戦なんだから、大喜びで投石するべきですぞー!』
「主様は凄いですなぁ……この距離から命中させるとは……歴史に名が残りますぞ?
それにしても……投石機とはこういう用途に使う兵器でしたかな……はて……?」
ホワイトが岩を持ってきて、投石器の箱へと載せた。
獣人達は勝ち戦だと分かって、戦略輸送部隊の皆も次々と岩を持ってきてくれている。
だが……この戦場での最大の障害は、未だに排除できていない。
ブラッドイーター。技能スキルは普通のゴブリンを化物へと変える。
こいつがここへと向けて近づきつつある。それも真っ直ぐに道なき道を進み、ありとあらゆる障害物をショートカットしてだ。
恐らく2時間もすれば、ここへ到達するだろう……この山頂、雲の上にあるような高所だし。
折角作った投石器だが……60分後には燃やして、皆で撤退しないと駄目だなぁ……。
ああ、面倒くさい。ブラッドイーターが居なければ、敵軍をここに誘導して、罠を張り巡らして一方的に戦えるのに、その手間暇が余計にかかって辛すぎる……。
「主様?何かお悩みですかな?」
ホワイトが心配そうに、首を傾げて僕の目を見ている。
「いや……自分たちの生活を守るために、ゴブリンたちの家庭を崩壊させている現実に嫌気が差しただけだよ」
「ほぅ……主様はお優しいのですな。
ですが、耐えてくだされ。辛いなら拙者の胸でパフパフしても良いのですぞ?」
「いや、今のは冗談だからホワイト。
赤の他人ならぬ、赤のゴブリンがどこで野垂れ死んでも、全く罪悪感ないよ」
「……なるほど、冗談でしたか。
最近の主様は、言葉が達者になられましたな。
つい二週間ほど前までは、子供らしかったのですが一気に成長なされて嬉しい限りです。
あ、もちろんチン●は小さくて可愛らしいですぞ。
まだまだ成長の余地がありますな」
「三歳児のチン●に何を求めているんだ!?」
「主様の4年後に期待します」
「7歳になったら童貞を奪う気か!?」
「ふふふふふ、そういう初々しい反応を見ていると、主様の純粋さが伝わって安心しますなぁ……」
ホワイトは下ネタ好きだが、こういう一面を見ると良い娘かもしれないなぁと、不本意ながら僕は思ってしまうのだ。
こういう獣娘を守るために、僕は大量虐殺をやって、ゴブリンの家庭を崩壊させているんだ。
『ゴブリンが地獄体験している間に、犬さんがリア充体験している件』
『天国と地獄は、現実に両方あるんだお……?』
僕が呑気に、投石器で岩を投げ飛ばしまくっている間に、ゴブリン労働者は次々と崖から
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ