28話「犬さんの投石器無双」
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「この世に神はいないんかぁー!そうなんかぁー!」
「暗黒神様助けてぇー!」
「寒い!毛皮をくれ!」
口々に悲鳴を上げ、その度に労働をやめるゴブリン労働者達。
ゴブリン兵士は鞭を振り上げて、叩く仕事を嗜虐心まみれでやっていた。
パシーン!
「貴様ら家畜にっ!神などいない!
家畜からゴブリンに成り上がりたかったら働けぇー!この糞虫どもがぁー!」
これ……一歩間違えば、こいつもゴブリン労働者と同じ立場だったのに、この発言である。
僕的には、ゴブリンが信じる暗黒神なんてどうでも良い。
尻尾なしのチビどもが崇める神様なんて、どうでもいいが……このままゴブリン労働者を働かせると、ゴブン街道が再開通どころか、拡張工事されて大軍が通れる仕様になりかねない。
狭い山道が広い山道になったら、ゴブリンの数がそのままメリットになっちゃう。
だから僕は――頭サイズの小さな岩を、投石器に載せて飛ばしてみた。
テコの原理で、岩が遥か彼方へと飛んでいく。
「あ、あれはなんだ!?」
とても目が良いゴブリン労働者が、早速、声をあげた。
だが、ゴブリン兵士達は飛んでくる岩に見向きもしない。
鞭でゴブリン労働者を叩いて叩きまくり、説教する愉悦に浸っている。
「その視線逸らしにはひっかからんぞ!
俺が余所見した途端、反逆する気だな!家畜どもめ!」
「うわぁぁぁ!逃げろぉー!」
「俺がそんなに怖いのかぁー!あっひゃっひゃっ!ヒャブッ!」
高笑いを上げたゴブリン兵士。飛んでくる岩に気づかずに頭が潰れ、血の花が咲く。岩は道へとめり込んだ。
……この光景を見ている僕がどこにいるかって?
実は遥か高い山頂にいる。
細工スキルで、日本の公園にあるような、シーソーの形に近い投石器トレビュシェットを10個ほど作って、次々と岩を飛ばす作業を開始したんだ。
紐紐紐紐
紐 台 箱?●重りを入れる箱
紐 台
紐??? 台台
箱 台 台
↑
●飛ばす岩を入れる箱
この図の右側の箱に、重い物体を落とすと、その位置エネルギーが運動エネルギーに変換され、岩を遠くへと飛ばす兵器だ。
『重い物であればあるほど、より遠くへと岩を飛ばせる道具って事だお?』
『……将来的に迫撃砲を作ればいいんじゃね?』
『いや……迫撃砲は部品数が少なすぎて……簡単に量産できる代物だ。あれを普及させると獣人が不利になるだろう……』
固定式だから、移動できないが、長射程が売りである。
あえて……問題点があるなら、僕は投石スキルのおかげで、例え1km先の的や道でも……ゴブリンが密集しているおかげで、50%くらいの確率で当てられるが、他の皆がたくさん岩を飛ばしても、見当違いの方向へと飛んでい
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