22話 焦土戦術
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「アホかぁー!」
どうやら、ナズニャンによるハリセンツッコミ攻撃のようだ。
三歳児が怪我しないように、ハリセンを使ってくれる所が優しいが、どうして攻撃するのだろうか?
やはり、村を丸ごと焼き払った事を恨んでいるのか?
「なんで回避するんや!?」
ナズニャンに、理不尽な事を言われた気がした。
彼女は猫耳をピョコピョコ激しく興奮させて、本気で激怒しているようだ。
僕は気付かない内に、彼女の怒りを買ってしまう行いをしたのかもしれない。
「いや、いきなり攻撃されたら回避するだろ……でっ?なんで怒ってるんだ?」
「ゴブリンは家畜として高く売れるんやで!
成人なら金貨50枚や!子供でも金貨10枚くらいの価値あるで!」
……どれくらいの価値なのだろうか?
金貨50枚って単位が不思議だ。
普通、独特な呼び方があるだろうに。
『ここらへんで流通しているのは、エルド帝国が発行する金貨ですお。
銀が無駄に混じっていて価値が低いですお』
『たぶん……日本円で1枚1万くらいの価値だろうな……』
安い。ゴブリンの価値が安い。
奴隷制度がある地域で暮らした事があるが、普通、奴隷って安くても200万円くらいするぞ……。
人間の4分の1程度の価値なのか。
きっと、ナズニャンは足元を見られて買い叩かれているんだろうなぁ……。
いや、難民ゴブリンがあっちこっちにいる時点で、家畜としてのゴブリンの価値が低すぎるのかもしれない。
「勿体ない!勿体ない!
ゴブリンは捕まえて売れば金になるのに勿体なーい!」
「いや……焦土作戦やっている最中だからな?
そういう奴隷売買とか、家畜売買は、全部が終わってからにしてくれ。
結構、輸送力に余裕はあるけど、戦場では何が起こるのか分からないんだし……」
「お金を舐めたらアカンで!
お金がたくさんあったら、傭兵を雇い放題やんか!」
「いや、信頼できない連中と一緒に行動すると、統率が乱れるから却下。
ただえさえ不利なのに、自分で敗北フラグ作ってどうする……」
「たった50人で戦うアンタよりマシやで!」
むぅ……この猫娘の扱いが難しい……。
胸は大きいけど尻尾がフサフサしてないし……。
平然とリーダーに抗議しまくる存在がいたら、統率が乱れる……。
戦争が終わるまで、縄で縛って村の倉庫に放り込んでおくべきだろうか……?
「ワァン様ー!来てくださいー!
このソーセージ美味しいですよー!」
モーニャンの能天気な声が響いた。
僕の脳裏に恐ろしいイメージが思い浮かぶ。
ソーセージは腸に、クズ肉を大量に詰め込んで作る保存食だ。
保存食とはいえ、生で食べて良い物ではない。
ナズニャンを放置して、僕は愛すべき狐娘の所へと走る。
そして
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ