21話 悲劇の村
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も殴りかかってきそうだ。
……そうだなぁ、このまま焦土戦術を正当化して誤魔化そう……。
下手に謝罪したら、賠償金とかが膨れ上がりそうな雰囲気だし……。
「敵が利用できる建物っ!人っ!食べ物っ!それを全て焼き尽くすのが焦土戦術なんだ!すまない!
名将カエサルに破れたガリア人は、都市を一つ焼かなかったせいで世界に冠するローマ帝国に敗北したんだ!
相手が食料を得られる可能性は可能な限り削らないといけない!」
『ローマのカエサルネタは駄目ぇー!2000年以上前のネタだよ!』
『強気で言い切って誤魔化すにも限界がありますよー!犬さんー!』
「ローマやカエサルとか知らんわ!アホ!
村を焼いたから謝罪せぇや!誤魔化したらアカンで!」
「いや、だから……家と食べ物を保証するし……」
「どうせ狭い家とか、倉庫を提供する気やろ!?
200人も住まわせしてくれる空家あるんか!?」
なぜ、ばれた……?
いや、後でちゃんとした家を作る予定だから、特に問題はないはず……。
僕が黙って考えている間にも、猫娘は口から延々と罵倒してきて、交渉が川のように勝手に進んでいった。
「絶対、賠償させたる!ウチらの村を焼いた補償させたるで!」
「安心してくれ!こう見えても金儲けは上手い方だ!
……君が満足できる額は必ず用意する」
公文書偽造とか、贋金とか、地球で散々やってきたから慣れてるぞ!
通貨発行権なんてなくとも、本物そっくりの貨幣を量産すれば良いし簡単すぎる!
これが僕の錬金術って奴なんだ!
『最低だぁー!?』
『犬さん最低だぉー!』
交渉が落ち着いたから、僕は猫娘の縄を解く事にした。
賠償金を払うって約束したおかげか、猫娘は殴りかかってこない。
しかし――やはり無料働きは嫌なのか、近づいて賃金交渉を開始してきた――
「うちの名前はナズニャンや!
アンタの仕事は手伝ってやるけど、報酬はきちんと要求するで!
商売やる許可も頂戴な!」
「大丈夫だ!ゴブリンの村から色んな物資を略奪するから、それを給料代わりにする予定だし!」
「ゴブリンの村を略奪して給料出すとか……アンタ……ウチらに何をやらせるつもりや……?」
「略奪の手伝い」
「まぁ……ええか。
難民ゴブリンの売買よりは儲かりそうやし」
猫娘はなぜか納得してくれたようだ……というか、ゴブリンって売れるのか……?
家畜としては運用し辛いと思うから……東南アジアで流通しているゾンビパウダー(ゾンビ奴隷を作る薬)でも作って投与しないと、反乱を起こすと思うぞ……あの生き物……。
僕がそうやってこの世の不思議さに思い悩んでいると――
「……いや、凄いですな」
今まで黙っていたホワイトが僕の犬耳に口を近づけ
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