ガンダムW
1551話
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格の違うW世界のコンピュータにも繋げて、データを抜き取る事は出来る。
だが、そんな真似をすればベンティ……はコンピュータとかにそんなに詳しくないんだろうが、相応にその辺を理解出来ている者はどうやってそのデータを盗んできたのかという風に疑われかねない。
なので、そのアリバイ作りの為にもこうしてハッキングツールを作って貰った訳だ。
いや、仮にも連合軍……このW世界で現在は最大規模の組織だけあって、この手のプログラムや専用のハードウェアを作れる技術者がいるのは助かった。
コンピュータを起動しても、実際には起動していないという風に見せ掛ける……といった、こういう場合には絶対に必要なプログラムも上手い具合に開発してくれたしな。
「どうだ? そっちの方は何か見つかったか?」
「そう、ね。これとこれ。それとこっちも数字が間違っているわ」
「少しの間違いだと、ケアレスミスだと言い張られるぞ?」
「……少しなら、だけど」
「うん?」
凛の口調を考えると、少しのミスじゃないのか?
少し気になり、ハッキングツールがデータを抜き出しているのを確認してから、凛の方へと近づいていく。
そうして渡された書類は……まぁ、これをケアレスミスと言うのは少し無理だろうという程度の誤差。
それこそMSを数機は建造出来るだけの資材がどこかに消えている。
「まさか、こうも大胆な真似をしているとはな」
サリィが監査に来るのなら、最初からこの基地の方がよかったんじゃないか?
……いや、幾ら何でも査察に来ると分かっていれば、この辺はどうにかして誤魔化すか。
恐らく俺達が査察に行ったOZの基地も、その情報を得た時から隠蔽工作はやっていたんだろうし。
ともあれ、これは当初想像していたよりもかなりでかい収穫だ。
「取りあえずその書類は持って帰った方がいいな」
「ええ、その方がいいでしょうね。……結構杜撰な管理をしているけど、もう少ししっかりと隠そうとは思わなかったのかしら?」
「慣れ、だろうな」
「慣れ?」
「ああ」
最初は連合軍に見つからないようにと慎重に隠蔽工作をしていたりもするんだろうが、この手の隠蔽作業というのはかなり面倒だ。
である以上、ある程度こういう作業にも慣れてきて……更にOZという組織そのものが連合に対する強い影響力を持つようになり、そうすればこの手の裏工作というか横流しとかも調べられる事は少なくなる。
慣れとOZの影響力。その2つが重なった結果、面倒な隠蔽作業は次第に手を抜かれる事になり……その結果として、こうして凛にあっさり見つけられる結果となってしまったのだろう。
「……なるほど。何事にも慣れというのは必要だけど、それが悪い方面に働いた形ね。……私達にとっては有利に働いたけど」
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