虚像-フェイク-part2/偽りの巨人
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一方、ギーシュの悲鳴を聞きつけ、サイトたちも一斉に現場へと向かった。
ギーシュとモンモランシーを除く、全員がそれぞれのペアと組んだ状態のまま、各々の位置の木陰からマチルダや炎の空賊たちが集まっているのを見た。
「ギーシュたちったら、もう…」
ルイズは結果的に捕まってしまったギーシュたちに少し呆れを覚えた。そう思う一方で、無事でよかったとも思っていたが、なんにせよ別の手間が出てしまった。
「見たところ怪我まではしていないみたいだけど、どうもまずい状況だね」
アキナは木陰から、深く踏み込まなくても今の彼らの身に降りかかっている事態がかなりやばい状態であることをすぐに察し、どう手を撃つべきかを考え、ルイズに一つ提案を入れた。
「ひとまず見つからないように移動して、サイトたちと合流しよう」
「そうね。私たちだけ突撃しても意味はないわ。わかったわ、サイトたちと合流しましょう」
「どうなってるんだ?あの女性は確か、ミス・ロングビルだった土くれのフーケじゃ…?」
一方で、魔法学院の生徒であるということもあり、レイナールはクロムウェルと対峙するマチルダの顔に覚えがあった。だが、彼女だけじゃない。見たことのない人の顔もちらほらある。
「あの帽子に金髪の女の子、凄く可愛い子だな…どこかの貴族かな」
「こんなときに何言ってんだよ。今の状況わかってるのか?」
マリコリヌが、向こうにいるティファニアの美しい容姿を見て興奮したが、そんな彼に対してレイナールは呆れた。
「そういえばあのジュリオとかいう奴、今どうしてるんだ?上空から落下物を探すって言ったきり姿が見えない」
「言われて見れば…全く、怪獣使いだかなんだか知らないが、ロマリアの神官は暢気だな。女王様もよくあいつを頼る気になったよな…」
ふと、レイナールが自分たちの周囲を見て、まだジュリオが戻っていないことに気づく。彼の一言で、マリコリヌもジュリオがまだ姿を見せないままであることに不服を洩らした。
二人もその後、自分たちだけではどうしようもないので、一度他の仲間たちと合流することにした。
最初にギーシュの叫び声を聞きつけたサイトとムサシも、木陰に隠れて様子を見た。
「あの人達は…!」
「サイト君、彼らを知ってるのかい?」
ムサシは、サイトが向こうにいるマチルダたちを知っているような口ぶりをしたのが気になり、サイトたちに尋ねた。
「…知ってるも何も、会ったことがあります。あの女の子は…」
サイトは、以前魔法学院の宝物を盗んだフーケの事件のこと、アンリエッタから秘密裏に頼まれた任務でアルビオンに旅立ったときに訪れたウエストウッド村にて出会ったテファたちのことを簡潔に説明した。
「なるほど…そんなことがあったのか」
「一緒にいるあの男たちは、俺たちがアルビオンで出会った炎の
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