暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
虚像-フェイク-part2/偽りの巨人
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乗効果を起こし、ハルナの本来の意識が戻りかけた。
『ムサシ、言っておくが…コスモスほど俺は浄化光線に特化してないぞ?あの時も、サイトの精神と俺の光が同調し、それがたまたまコスモスの浄化光線と似た効果を持った技になっただけだ』
サイトがあの時、ゼロとして使った浄化技〈ウルトラゼロレクター〉。確かに闇に囚われたハルナの主人格を呼び起こすことができた。しかし、あの技はゼロにとってぶっつけ本番で編み出した、つたない技術同然の技だ。ハルナが自我を取り戻し、もう一人の自分であるアキナと心を一つにし光の力でファウストに再び変身したことと同じように、奇跡に近い。
「…ゼロ、やろう」
『サイト…』
サイトは立ち上がってゼロに言った。
「ムサシさんは俺たちの恩人だ。この人にしてもらった分、俺たちも返してあげなくちゃ。それに…あの怪獣には本来悪意がないんだろ?だったら、それを助けてあげるのもウルトラマンの使命って奴じゃないのか?」
『そうだな…その通りだ』
ゼロもサイトの言葉に後押しされ、やってみることを決断した。またもう一度同じことができるかどうかなんてわからない。だが、求める結果に近づくためなら、しくじることなんていちいち考えて足を止めるわけにいかないのだ。
「じゃあ、ムサシさん、もしルイズたちと合流したら、その時は話を合わせておいてください」
「わかった。浄化が終わった後は、僕がヤマワラワと話をしてみる」
ウルトラゼロアイを取り出すサイトに、ムサシは頷いた。
サイトは再び視線を、木陰の向こうにいるティファニアたち、そして十字架に張り付けられたネクサスと、ヤマワラワに傾けた。
シュウも、テファたちも、空族たちも、ヤマワラワも…
(待っててくれ、みんな…俺が助けて見せるからな!)
いざ、ゼロアイを装着し、変身しようとした時だった。
『ん…まて、サイト』
ふと、ゼロがサイトに変身を留めさせてきた。
「ど、どうしたんだゼロ。いきなり…」
『サイト、あのウルトラマンをよく見てみろ』
なんだろう。言われてみて、サイトは目を凝らしながら、シュウの…ウルトラマンネクサスの姿を見る。
(…いや、待てよ…あれは)
じっと十字架のネクサスの姿を観察する内に、ゼロと同じように何か妙な違和感を覚えた。
「ッ!まさか…!」
何かに気付いて、サイトは驚きを露わにしながら顔を上げた。
「サイト君、ゼロ?」
ムサシが、二人が何かをつかんだことを察し、それを尋ねてきた。
「…ムサシさん、これはヤマワラワやテファたちを助けるだけじゃすまないかもしれない」
サイトはそのように答えてきた。


「シュウ…!」
テファやマチルダが、イエス・キリストのように十字架に貼り付けられた銀色の巨人を見て、絶句した。
目に光を宿さずにぐったりしている。まるで死んで
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