665部分:第九十五話 聖域の前でその六
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第九十五話 聖域の前でその六
「それならばだ」
「そうか、見たいのだな」
「来るのだ」
サガも毅然としていた。
「貴様の神としてのその技を」
「ならばだ」
ポポスは不敵な言葉と共に両手をゆっくりと動かしてきた。
そしてその横では。アイオロスとデイモスが激しい闘いを行っていた。
その中でだ。デイモスは言うのであった。
「私もまた」
「何だというのだ?」
アイオロスも攻撃を繰り出しながら彼に問う。
「アーレス様の為に戦う一人の戦士だ」
「神であってもか」
「神は神だ」
それは認めるのだった。
「だがそれと共に戦士でもあるのだ」
「そうなのか。そういう意味か」
「そしてだ」
神の言葉は続く。
「アーレス様の御為にだ」
「命をだというのだな」
「如何にも」
にやりと笑っての言葉だった。
「それも言っておこう」
「確かに聞いた」
そしてアイオロスもその言葉を受けて述べた。
「しかしだ」
「しかしだと?」
「私もまた敗れることはない」
こう言うのだった。
「敗れることはない」
「敗れることはないというのか」
「そうだ」
言いながら構えるのであった。
「この世の人々の為にだ」
「思えばアテナも愚かなことだ」
「アテナが愚かだというのか」
「その通りだ」
まさにそうだというのだ。
「神でありながら人のことを考える。それが愚かと言わずして何というのだ」
「それは貴様等にはわからないことか」
「人は神に仕えるもの」
やはりこう言うのだった。
「それで何故人のことを考えなくてはならないのだ」
「海皇ポセイドンも冥皇ハーデスもだ」
かつて聖戦を戦ったその二柱の神々だ。天帝ゼウスと並ぶ大神である。
「そしてオリンポスの神々の殆どもだな」
「人なぞ所詮神の恩恵を受ける存在でしかない」
やはりこう言うデイモスだった。
「所詮はだ」
「その考えは変わらないな」
「変わる?何をだ」
これがデイモスの返答だ。
「何を変える必要がありのだ」
「それがわかった」
今その拳を構えるアイオロスだった。
「それではだ」
「来い」
デイモスは彼に告げた。
「相手をしてやる」
「行くぞ」
今アイオロスの小宇宙が全身を覆った。そうして。
「出すな」
「ああ」
「あの技を」
黄金聖闘士達は戦いを見守り続けていた。
「だが。あの技をもってしてもどうか」
「神に対しては」
「勝てるのか」
「案ずるな」
彼等にここでもシオンが告げた。
「アイオロスはアイオロスだ」
「だからですか」
「案ずるなと」
「そうなのですか」
「そうだ」
まさにそうだというのだった。
「あの男、そしてサガも」
「サガも」
「彼も」
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