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おぢばにおかえり
第三十八話 夏になってその二

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「もうそれはね」
「仕方ないの」
「そう、諦めてね」
「盆地は夏暑くて」
 私はその盆地の気候について言いました。
「冬寒いっていうけれど」
「その通りでしょ」
「冬も実感したわ」
 その冬のおぢばにいてです。
「いや、本当にね」
「それでまだ慣れないのね」
「ちょっとね」
 もっと言えばちょっと以上にです。
「うだる気持ちよ」
「それは仕方ないわね」
「仕方ないのね」
「もうね、けれどね」
「けれど?」
「慣れるしかないから」
 これが結論でした。
「もうね」
「ここにいる限りは」
「そうした気候ってことでね」
「やれやれね」
「やれやれって言ってもう三年目でしょ」
 私にこうも言ってきました。
「ちっちも」
「三年だから」
「それでもやれやれなのね」
「だからこうした暑さはね」
 どうにもなのです。
「苦手だから」
「それでそう言うの」
「ええ、弱るわ」
「私的にはね」 
 別のクラスメイトが言ってきました、この娘も自宅生でお家はおぢばにあって幼稚園の頃からおみちの学校に通っています。
「夏服だと透けるでしょ」
「あっ、ブラウスが」
「だからブラに気を使うから」
「そのことね」
「だから夏は気にしてるの」
「色の問題ね」
 私もわかりました。
「確かに派手な色だったら透けるから」
「白じゃないと」
 具体的な色の話になりました。
「駄目よね」
「そうなのよね」
「まあ私は下着は白系統しか持ってないけれど」
 他の色、派手な色は過激というか刺激的というか危ない感じがしますので持っていません。
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