第六幕その十一
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「いないわ」
「そうなの」
「機械で再現出来るかしら」
「今の技術では無理だと思います」
恵梨香が答えました。
「ちょっと」
「そうなのね」
「この娘もかかしさんや木樵さんも」
「まさに魔法、そして不思議ね」
「そこまでの不思議はです」
「今の外の世界でもなのね」
「再現出来ないと思います」
流石にというのです。
「やっぱり」
「そうなのね」
「そう考えますと」
「本当にこの国は不思議の国ね」
「不思議そのものです」
中に不思議が一杯転がっているのではなく、です。
「そう思います」
「うん、この国はね」
キャプテンも言います。
「まさに不思議そのものだよ」
「何といっても」
「不思議が創った国といっていいね」
こうも言ったキャプテンでした。
「この国は」
「そうですよね」
ナターシャはキャプテンのその言葉に頷きました。
「不思議の塊というか不思議そのものです」
「そうよ、不思議そのものだから」
トロットもまた言います。
「凄く楽しいのよ、大変なことも多いけれど」
「大変なことがあっても」
ビリーナはこれまでの経験からトラブルについても言います。
「それを避けることもね」
「楽しみよね」
「そう、どう乗り越えるか考えて乗り越える」
実際にとです、トロットに言うのです。
「それもまた楽しいのよ」
「そうそう、だから今回のことも」
「何があってもよ」
まさにと言うビリーナです。
「乗り越えるわよ、いいわね」
「是非ね、じゃあ」
「まずは地下への入口まで行くわよ」
そうしようというのです。
「わかったわね」
「その入口に行って」
「そこから地下だね」
「僕達地下へ行くのははじめてだけれど」
「どんなのかしら」
「本では読んでいたけれど」
五人はそれぞれ考えるお顔になります、ビリーナはその五人にはこう言いました。
「私達がいるから安心してね」
「うん、ビリーナもトロットさんもいて」
「キャプテンさんもいてくれて」
「そしてエリカもガラスの猫もいるから」
「私達は安心していいのね」
「例え何があっても」
「一番大事なのは私達が信じることよ」
まさにというのです。
「信じてついてくるのよ」
「わかったわ」
ナターシャが代表して応えます。
「それじゃあついていくわね、ビリーナ達に」
「信じてついていく」
神宝はこう言いました。
「時にはそうしたことも大事だね」
「信じられる人についていくこともね」
ジョージも言います。
「時として大事だね」
「そして勝手なことはしない」
カルロスの言うことはこうしたものでした。
「かえって皆の邪魔にもなったりするし」
「私達は今はビリーナ達についていくわ」
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