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出撃・礼号作戦!〜決戦、重巡棲姫〜
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「それは敵の手に堕ちたZaraからの砲撃の可能性が高い!初速が早いから気を付けろ!」

『了解!同航戦に持ち込む!加賀、索敵機を!』

『もう飛ばしてあるわ。』

 流石だ、要求されるであろう事を先読みし、先回りして行う。この辺りの配慮はまだ瑞鶴や翔鶴には出来ない熟練の味だ。

『敵は報告通りの編成ね。旗艦が見慣れない奴だけれど…』

「映像はこっちに回せるか?加賀。」

『難しいわね、相手が既に砲撃戦の準備をしています。』

『バカ…メ……ヤクタタズドモ…メ……マタ…シズンデシマエ……。』

 相手の旗艦、仮に『重巡棲姫』と名付けられたソイツは、喋るのに馴れていないように覚束無い口振りだ。まさか、改造されてまだ間もないのか?……であれば、まだ助けられる可能性はある。

「全艦、戦闘準備!敵の旗艦を倒しきれればまだ救い出せる可能性がある!」

『了解、まずは制空権を奪います。』

 加賀、扶桑、山城から艦載機が発艦していく音が通信機越しに聞こえる。しばらく機銃の音や対空砲火の音が響いていたが、

『制空権確保!だが、時雨が小破、夕立が中破した!』

 これは痛い。当初の予定では昼の砲撃戦の内に敵の随伴艦を潰し、夜戦で重巡棲姫を叩くプランだった。その為に対空火力の減少を考慮しても、夜戦の得意な者を第二艦隊に組み込んだのだ。

『ハーイ、私の仲間を傷付けたオトシマエはキッチリ付けてやるネー!』

『ほいほーい、仇は取るよ〜!』

『ナメた真似すんじゃないわよ、雑魚の分際でぇ!』

 金剛達の支援砲撃と大井、北上コンビの魚雷攻撃が疾る。通信機越しにも轟く轟音、炸裂音。

『随伴の駆逐艦2隻は撃沈、空母棲姫は飛行甲板が炎上中だ!』

 これはデカい。それでは空母棲姫は艦載機が飛ばせないから置物同然だ。残るは戦艦棲姫2隻と重巡棲姫のみ。

「砲撃開始!叩き潰せぇ!」

 長門が切り忘れた通信機から、続けざまに響く砲撃の音。鼓膜が破れそうになってこちらから一旦通信を切った。時刻は夕暮れ……間も無く夜の帳が降りてくる。

『敵の随伴は大破……重巡棲姫は中破しているが?』

「勿論夜戦に持ち込む!神通、任せたぞ!」

『了解、探照灯照射!第二艦隊、突撃します。』

 第二艦隊の戦法は至ってシンプルだ。旗艦の神通が探照灯を照射しながら突撃し、後続の艦娘が砲撃と魚雷を叩き込む。被弾のリスクも高いが、こちらの攻撃の成功率も高い。ハイリスクハイリターンな戦法だが、神通なりの勝算があっての事だ、口出しはしない。

『当たって……!』

 神通の砲撃。何かに当たって爆ぜたような音がする。

『砲塔を1つ潰した!けどまだ動いているぞ!』

 長門が実況してくれている
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