出撃・礼号作戦!〜決戦、重巡棲姫〜
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「それは敵の手に堕ちたZaraからの砲撃の可能性が高い!初速が早いから気を付けろ!」
『了解!同航戦に持ち込む!加賀、索敵機を!』
『もう飛ばしてあるわ。』
流石だ、要求されるであろう事を先読みし、先回りして行う。この辺りの配慮はまだ瑞鶴や翔鶴には出来ない熟練の味だ。
『敵は報告通りの編成ね。旗艦が見慣れない奴だけれど…』
「映像はこっちに回せるか?加賀。」
『難しいわね、相手が既に砲撃戦の準備をしています。』
『バカ…メ……ヤクタタズドモ…メ……マタ…シズンデシマエ……。』
相手の旗艦、仮に『重巡棲姫』と名付けられたソイツは、喋るのに馴れていないように覚束無い口振りだ。まさか、改造されてまだ間もないのか?……であれば、まだ助けられる可能性はある。
「全艦、戦闘準備!敵の旗艦を倒しきれればまだ救い出せる可能性がある!」
『了解、まずは制空権を奪います。』
加賀、扶桑、山城から艦載機が発艦していく音が通信機越しに聞こえる。しばらく機銃の音や対空砲火の音が響いていたが、
『制空権確保!だが、時雨が小破、夕立が中破した!』
これは痛い。当初の予定では昼の砲撃戦の内に敵の随伴艦を潰し、夜戦で重巡棲姫を叩くプランだった。その為に対空火力の減少を考慮しても、夜戦の得意な者を第二艦隊に組み込んだのだ。
『ハーイ、私の仲間を傷付けたオトシマエはキッチリ付けてやるネー!』
『ほいほーい、仇は取るよ〜!』
『ナメた真似すんじゃないわよ、雑魚の分際でぇ!』
金剛達の支援砲撃と大井、北上コンビの魚雷攻撃が疾る。通信機越しにも轟く轟音、炸裂音。
『随伴の駆逐艦2隻は撃沈、空母棲姫は飛行甲板が炎上中だ!』
これはデカい。それでは空母棲姫は艦載機が飛ばせないから置物同然だ。残るは戦艦棲姫2隻と重巡棲姫のみ。
「砲撃開始!叩き潰せぇ!」
長門が切り忘れた通信機から、続けざまに響く砲撃の音。鼓膜が破れそうになってこちらから一旦通信を切った。時刻は夕暮れ……間も無く夜の帳が降りてくる。
『敵の随伴は大破……重巡棲姫は中破しているが?』
「勿論夜戦に持ち込む!神通、任せたぞ!」
『了解、探照灯照射!第二艦隊、突撃します。』
第二艦隊の戦法は至ってシンプルだ。旗艦の神通が探照灯を照射しながら突撃し、後続の艦娘が砲撃と魚雷を叩き込む。被弾のリスクも高いが、こちらの攻撃の成功率も高い。ハイリスクハイリターンな戦法だが、神通なりの勝算があっての事だ、口出しはしない。
『当たって……!』
神通の砲撃。何かに当たって爆ぜたような音がする。
『砲塔を1つ潰した!けどまだ動いているぞ!』
長門が実況してくれている
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ